貧乏人がペットを無責任に飼うのは虐待! 猫80匹と暮らす地獄のような家を見て考える
そんな中、11月15日に放送された「クローズアップ現代」(NHK総合)で「ネコに家が壊される~広がるペット多頭飼育崩壊~」と題された特集が組まれていた。
番組では、首都圏のある一軒家を取材。この家には4人の家族が住んでいる。そしてその同居人として、80匹もの猫がひしめきあって暮らしているのだ。
当然内装はボロボロ。モザイクこそかけられているが、あちこちに糞も見受けられるし、おしっこのシミも酷い。悪臭のせいで、近所からクレームも寄せられているという。
何故こんなにも多くの猫が暮らしているのか。6年前、オスとメス、1匹ずつを家に迎え入れた。その時点で去勢させていれば良かったものを、それを怠ったのだ。
猫は繁殖能力が高い。ネズミ算式に猫の数は膨れ上がり、とうとう取材時点で80匹となっていた。しかもチラホラ子猫まで混ざっている。このままにしておくと、猫はますます増え続ける。
飼い主の様子を見てみると、一応猫たちに名前を付けて可愛がっているように見えるが、一方で猫たちの健康状態まで気が回っていない。怪我をしていたり、痩せすぎの子が目に付く。
しかし、飼い主はまだ現実を理解し切れていないのか「自分の家族だと思ってる」だとか「手術代が高い」だとか口にしている。呆れて物が言えない。
飼育と依存がごっちゃになっているような人に生き物は任せられない
ボランティアの人たちが家中を掃除することになるんだけど、衰弱した猫も新たに見つかり、ますますこの家族に辟易してしまう。さらに動物愛護団体も介入し、増えすぎた猫たちに避妊手術を行うために捕獲して回る。しかも、獣医師たちがボランティアで手術を行う。中には妊娠していたメスもおり、泣く泣く堕胎させていた。
大して裕福でもない家庭が、知識もなくペットを招き入れるとどうなるか。最悪なケースが紹介されたような特集であった。
この一家は、結果として猫を無思慮に増やし続け、劣悪な環境で暮らさせるという虐待を行ってきた。その自覚があるのだろうか。
飼育と依存がごっちゃになるようなメンタルしかない上に避妊手術代を捻出するお金もないような人には、ペットは任せられない。百歩譲って飼育を放棄しなかっただけまだマシかもしれないが、いずれにせよこんな人たちにペットを幸せにすることはできない。
このような多頭飼育への苦情が、全国で年間1800件程度寄せられているという。空前の猫ブームと言われる昨今だけど、ブームに乗せられる人に限って知識がないまま飼い始める。
ペットは動物。動物は増える。増えても、増えないようにするためにも金がかかる。
貧乏人は自分の世話だけで精一杯なのだから、自分のエゴだけを優先してペットを迎え入れるべきではない。