「酒は飲んだら強くなる」に批判集まる 日本人の約半数は酒に弱い体質なので「死ぬで」と反論
酒が弱いまたは飲めない人にアルコールを強要することは「アルコール・ハラスメント(アルハラ)」と呼ばれる。そのため、スレッドでは、酒の強要許すまじという意見が続出することになった。
「んなわけないやろ 死ぬで 」
「飲めん奴に無理矢理飲ませて殺しそう」
「こういう奴が現代でも普通におるのが恐ろしい」
酒が弱い人に無理やり飲ませれば、急性アルコール中毒を起こして死に至る危険性もある。
そのため、お酒が強い人からも「酒好きだけど、他人に強要する奴は本当に嫌い」「俺は自分と同じくらい飲むやつとだけ飲みに行く」など、自分の酒好きを他人に押し付けるのはダメだ、という書き込みがある。
だが一方で、「飲むと強くなるのは確かやで」「ガチで強くなるで 」など、酒は飲めば強くなる、と主張する人も少なからずおり、実際に強くなったという体験を書いた人もいた。
「昔はビールをコップ一杯飲んだら、真っ赤になってたけど、飲んでるうちに慣れてきて、いまは周囲から酒が強いと言われるレベルにまでになった」
医師は「無理に鍛えようなどと思ってはいけない」と忠告
お酒は飲めば強くなるのだろうか。NIKKEI STYLEが2015年に掲載した記事では、肝臓専門医で自治医科大学付属さいたま医療センター消化器科の浅部伸一氏が、「酒の強さは遺伝子によって決まる」と説明している。
酔いの原因は、アルコールを分解したときにできるアセトアルデヒドだ。これを分解するのが「アセトアルデヒド脱水素酵素」なのだが、この酵素の活性は遺伝子の組み合わせによって決まるという。活性は人種によって異なり、白人や黒人はほぼ100%が酒に強いのに対して、日本人を含む黄色人種では酒が強いタイプは50%にとどまる。日本人の約半数は酒が弱い体質なのだ。
酵素の活性はアルコール代謝を繰り返すうちに徐々に高まるが、これには個人差が大きいため、「無理に鍛えようなどと思ってはいけない」と浅部氏は釘を刺す。もともと酒が強くない人が日々飲酒を繰り返すうちに「酒に強くなった」と勘違いして酒量が増えた結果、最悪の場合はアルコール依存症になるリスクもあるからだ。こうなっては専門家の治療が必要になる。
周りにお酒が弱い人がいても、それは遺伝の問題であって本人の「根性が足りない」からではない。無理に強要するのは、愚かな行為でしかない。
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