「消防車でうどん店に立ち寄った」 消防団員への指導に「世知辛い世の中」という声相次ぐ
4月26日付の中日新聞の報道によれば、業務の間にうどん店の駐車場に止まっていた消防車を見つけた市民が「おかしくないか」と市の消防本部に指摘。「消防車で飲食店に乗り付けるのは非常識」と判断した本部が、分団長に口頭注意をしたという。
これを知ったネットユーザーからは
「世知辛い世の中だわ」
「サイレン鳴らしてないならええやろ」
「それくらい大目に見てやれよ…」
などの声が挙がっている。消防団員だってお腹は減る。消防車でちょっと食事に寄ったぐらいで、とやかく言うのはやりすぎではないのか、と感じた人が多いようだ。
こうした声について、一宮市の消防本部は「そのような声があることは把握しております」と受け止めた上で、対応の理由を語った。
「今回は『消防活動以外で消防車を使用しない』という申し合わせに反したため、注意しました」
移動途中の昼食にまで、申し合わせを適用する必要はあるのか?
元々、市の消防本部と消防団は、業務外での消防車の使用をしないと約束していた。飲食店などに消防車が駐車しているのを見た市民が「災害が起きたのでは」「消防団員がお酒を飲んでいるのでは」などと不安に思うのを防ぐためだという。「かなり昔からあるので、いつからこうした申し合わせあったかは分からない」と言うほど、古くから根付いていたようだ。
消防団は通常、業務が終わると車庫に戻り、その段階で昼食を取るという。今回は車庫に戻る前、消防業務中でない時間に消防車を使ったため、業務外の利用と判断したそうだ。ちなみに、制服のまま店内に入ること自体は禁止されていないと言う。
市の担当者は、「私共も、食事をすること自体を禁止する意図はありません。きちんと食事を取っていただかないと、と思っています」と強調し、また、今回の騒動については「多くの方の注目が集まり、日ごろ消防団の活動を応援していただいていることが分かって、うれしいです」と複雑な心境を語っていた。
ただ、うどん店に立ち寄った分団長は、次の予定との兼ね合いもあり、昼食を取れるタイミングがここしか無かったと話しているとも報じられている。