新人に「自分で考えろ」と言うのはなぜダメ? 「自分の頭で考えてどうこうできるのは、ある程度基本に慣れた後」
世の中では、教えるのを簡略化したり、結果が間違っていてもどこが間違っていたかを教えずに敢えて放置する方法が横行していると指摘。こうした環境で新人教育を行えば、やがて仕事に恐怖感を抱くようになり、萎縮してしまうと懸念する。
これでは、上司から怒られることを恐れるあまり、しまいには上司や周囲にわからないことを聞くことすらしなってしまう。結果として、新人はミスを繰り返すという悪循環になるわけだ。投稿者は、この方法で成果を上げる人はいるが、そうした人は「元から優秀なだけ」と書いている。こうした背景から、投稿者は「教育が効果を上げてはいない」と嘆き、
「自分で考える力をつけると言えばいかにも通りが良い(中略)実際には考える余地などないぐらいルーチンワークしてやるぐらいで丁度いい。一通りの作業は考えなくてもこなせるぐらいの知識をつけてやれば、人間なんて自然に色々考えるようになるもんだ」
と持論を綴った。
「自分で考えろ」と放置するのは教える側の怠慢
確かに、何もわからない新人に対して「自分で考えろ」といったところで、どう考えたらいいのかわからない、という状況になってしまう。それなら、ある程度の道筋を提示してあげた方が親切ではある。細かく指示を受けながら一通り数をこなしていけば、新人も自ずと傾向と対策がわかってくるだろう。そこまでいけば自分で考えることができるようになる。
はてなブックマークでも、投稿者の意見に賛同するコメントが相次いでいる。いきなり「自分で考えろ」と言われても、仕事に関する基礎的な知識なしでは無理だ、という考えだ。
「同意。自分の頭で考えてどうこうできるのは、ある程度基本に慣れたあとだと思う」
「『何がわからないかもわからない』という状況でそれをやられると最悪だと思う」
また、教える側の怠慢だ、という批判も多く挙がっている。ヒントも出さずに放置するのは、「教える人が逃げてる場合もあると思う」というのだ。
新人に対して仕事を教えず、「自分で考えろ」と言うのはなぜ問題なのか。ビジネスコンサルタントの細谷功氏は2012年に日経ビジネスオンラインに掲載された記事で、「考えることは、走るや投げると違って目に見える行為ではない」と指摘。
部下からすれば、「自分の頭で考えるという概念が理解されない可能性がある」と問題点を説明。上司は部下に対して「思考停止」と「頭を使っている」状態の違いを具体的に示す必要があるとしている。
上司の中には「OJT」と称して、部下を放置する人もいる。中にはそれで成長する人もいるかも知れないが、大抵の場合は非効率的だろう。
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