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「ブラック部活」親が子を追い詰める問題も 自分の経験押し付け「部活ひとつ続けられないで社会に出たらどうするの!」

その一言が追いつめているかもしれません

その一言が追いつめているかもしれません

中学2年生のA君は、中高とバドミントン部でキャプテンを務めた母親の奨めで、中学生からバドミントン部に所属。競技自体は楽しかったが、同級生がレギュラーに選ばれる中、補欠にもなれなかった。

厳しい練習について行けない、レギュラーになれない生徒は、「ダメなやつ」と攻撃の対象になることがある。A君はレギュラーの生徒からバカにされ雑用を押しつれられたが、顧問の先生は見て見ぬふり。「なんのためにやっているのか分からない」と苦しみに耐える日々だった。

ある日母親がA君の異変に気付き問いただすと、涙ながらに「辞めようと思ってるんだ」と告白した。ところが母親はこう言って息子を厳しく責めてしまう。

「部活が厳しいのは当たり前でしょ!」「母さんのころだって、周りは全員ライバルよ!」
「部活ひとつ続けられないで、社会にでたらどうするの!?」

A君のSOSは受け入れられなかった。それだけでなく、弱気になっているA君のためにと、母親は顧問に指導の強化を頼んだ。練習量も雑用も以前より厳しくなり、追い込まれたA君は不登校になってしまったという。母親の言動は完全に裏目に出てしまったのだ。

「親の部活経験の押しつけ」と「少子化で我が子主義が加速」

『部活があぶない』(講談社)の著者である、教育ジャーナリストの島沢優子さんによると、親による部活ブラック化の背景には、親の「部活経験の押しつけ」や、少子化で「我が子主義」が加速している状況があるという。

自分の子どもがレギュラーであれば、問題を指摘されても「そのままでいい」となりがちで、改善が難しいのも特徴だ。

他にも、筆者が高校1年生の娘さんがいる母親に聞いたところよれば、保護者の間では中学校での部活の成績は進学(内申書)に影響すると言われているのだという。

部活を3年間やったというだけではなく、「県大会まで進んだ」などの成果が見える形がよいそうだ。学校によるだろうが、親にそうした認識があることも、本来は子どもの心身の成長のための部活が「勝利至上主義」に傾きがちな要因かもしれないかもしれない。

また、労働時間が過労死ラインを超える部活顧問の問題も深刻だ。部活の成果が教師の評価にもつながるため休めない。新しい指導・情報を学ぶ余裕がないまま、自分が過去に経験してきた指導法を貫いてしまう悪循環があるという。

ブラック部活かどうか判断するポイントは?

課題は山積みだが、せめて親だけでも子の置かれている状況を冷静に見つめ、対処を考えたいものだ。

島沢さんは、「ブラック部活かどうか判断するポイント」として

・部活の休みが決まっていない
・練習試合に行くと生徒に笑顔がない

の2つをあげていた。「楽しく、自発的にやっているから続けられる。そこを親御さんはよく見て欲しいなと思います」とも語っていたが、まさにその通りである。

※ウェブ媒体やテレビ番組等で記事を引用する際は恐れ入りますが「キャリコネニュース」と出典の明記をお願いします。

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