東浩紀氏、衆院選「積極的棄権」の署名活動開始 「そんなに無理して好きでもない候補者や党に一票を投じるべきなのか」
民進党と希望の党の合流の報道や、枝野氏による立憲改進党の立ち上げなど、衆院選を目前に控え各党の動きが活発になっている。こうした中、批評家の東浩紀氏はネットの署名サイトChange.orgで9月末から、今回の選挙での「積極的棄権」に賛同する署名を集めている。
「与党も野党もねえ、保守も革新もねえ、おまえらすべてくだらねえんだよ!と言いたい」
東さんは、今回の選挙を解散権の濫用だと指摘。本来であればこの事態を批判する役目である野党も、「選挙対策に奔走し、政策論争を無視した数あわせの新党形成に邁進」していると現状を分析する。
また、衆院選には600億円の税金が投入されることにも触れ、
「議員たちはその血税を原資にお祭りを演じているにすぎません。こんな茶番に巨額の税金が投入されることに対して、わたしたちはもっと怒ってよいはずです」
と指摘。その上で「2017年秋の総選挙は民主主義を破壊している。『積極的棄権』の声を集め、民主主義を問い直したい」と題した今回の署名活動の目的を
「『今回の選挙はどこも投票先がない』『できれば棄権したい』という人々の声を集め、単なる(消極的な)棄権ではない、『積極的棄権』の国民の声として、選挙後に–残念ながら選挙後しかないので–衆院議長に届けたい」
と説明した。「与党も野党もねえ、保守も革新もねえ、おまえらすべてくだらねえんだよ! と言いたい」と、怒りを露わにしている。
早くも4000人の署名が集まる 「今の心情に一番マッチしている」という声も
署名はあくまでも「棄権を望むことの表明」だという。また、東さんのツイッターには「意味が無い」「選挙に行ったほうがましでは」との批判も届いているが、こうした反応があることを受け止めた上で、署名サイト上で
「わたしたちは、そんなに無理して、好きでもない候補者や党に貴重な一票を投じるべきなのでしょうか。そんな一票を投じること自体、茶番を演じる議員の掌に載っていることなのではないでしょうか」
との疑問を投げかけた。ツイッターでも
「こんな署名してどうするとか棄権してどうするとかいうリプライが多いけど、マスコミもネットも政局分析ばかり、この状況の異常さそのものをまったく直視せず結果として政治屋に言いように操られる、その状況を少しでも変えることができれば成功だし未来につながるんですよ」
こんな署名してどうするとか棄権してどうするとかいうリプライが多いけど、マスコミもネットも政局分析ばかり、この状況の異常さそのものをまったく直視せず結果として政治屋に言いように操られる、その状況を少しでも変えることができれば成功だし未来につながるんですよ。
— 東浩紀@ゲンロン6発売中 (@hazuma) 2017年9月30日
と心境を語る。
ツイッターではこの活動に「今の心情に一番マッチしている」などと賛同する声も出ている。署名は、10月2日15時時点で4000人を突破。5000人分の署名が集まったら「衆院国会議員」に届けるとしている。
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