ジャック・ウェルチが忠告する「あなたのキャリアを台無しにする10の行動」
米ゼネラル・エレクトリック社のCEOを務めた「伝説の経営者」ジャック・ウェルチが11月10日、リンクトインに「あなたのキャリアを台無しにしてしまう10の行動」について書いています。
自分の仕事が停滞していると感じたら、「鏡の中をじっくり見つめて」間違った行動を見つけ出すことだと勧め、もしこの「10の行動」の中に1つでも思い当たることがあったら、即座にそれを止める努力をすべきだと述べています。
権力志向は「お見通し」、同僚をないがしろにするな
詳しくは短い原文に当たってもらいたいのですが、ここでは英語が苦手な方にニュアンスが伝わる「意訳」をしてみましょう。
1.業績や価値で「失火」しないこと――これはあなたを評価する人たちを失望させないという意味ですが、そのためにウェルチは、愛想よくしすぎて実行できない約束をし、期待を下回る成果を出すことを諌めています。これを繰り返していると、口先だけで行動の伴わない人というレッテルを張られます。
2.変更に抵抗すること――会社勤めでは、上からの色々な変更事項に遭遇することがあります。やりにくいと思っても、新しいアイデアを受け入れないことはあなたのキャリアをかなり傷つけることになります。オープンマインドであることが必要です。
3.問題探しばかりすること――問題の解決に動かなければ、ただ文句を重ねているだけに聞こえます。積極的に問題を解決する人になりましょう。
4.上司を味方につけることばかり考えて、同僚の心を掴まないこと――同僚をないがしろにしてはいけません。
5.次のキャリアの動向ばかり気にしすぎること――あなたはいまの仕事に焦点を当てる必要があります。常に「次は何?」と考えていると、それに気を取られて現在のタスクにコミットできません。
6.政治権力を追い求めること――「Running for office」とは、権力を追い求めるというイィオム。あなたは気づいていなくても、これは周囲に丸見えです。
7.うぬぼれること――自分を重要視しすぎて、ユーモアのない強張った態度を示していませんか。
「自己満足」すれば停止か、後戻りになる
8.上からの命令に飲み込まれること――「ザ・システム(支配体制)をプッシュバックする勇気と信念を欠くこと」のニュアンスを訳すと、こうなります。上からの命令を押し返せるほどの自分の意見や、それを表現する力を持つことは重要です。
9.自らの後継計画を忘れること――自分が昇進するためには、後継者を育てることも重要。そのための備えはやはり必要です。
10.自己満足してしまうこと――あなたが人としても、プロとしても成長を続けなければ、それは停止していること、悪くすれば後もどりしていることと同じです。
以上は、ウェルチが掲げた10点です。これらはどれも日本の会社員に当てはまりそうですが、5番目の「次のキャリアばかり気にするな」というのは、かなり米国的です。日本では、まだひとところに長く勤めることがよいと考えられているので、もう少し自分で「次のキャリア」を考えた方がいいくらいかもしれません。
また、8番目の「上からの命令に飲み込まれるな」は、「出る釘は打たれる」日本ではさらに難しくなるでしょう。もっとも上司に反論することは、ウェルチも「勇気」という言葉を使っている通り、米国人でも容易なことではないに違いありません。
(参考)10 Behaviors That Could Kill Your Career (Linked in)
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