高額転売に困惑、スーパーカミオカンデパズルも「高く買わないで」 東大宇宙線研究所ツイッター「中の人」がお願い
キャリコネニュースが「中の人」に話を聞いたところ、転売が最初に分かったのは11月半ばだという。フリマアプリメルカリで、4~5件が3000円から5000円の値段で売られていた。しかし、新聞で取り上げられて以降、他のオークションサイトを含め出品数が急増した。中には10ケース、30ケースとまとまった単位で転売されている例もあったそうだ。
編集部が12月12日正午に確認したところ、メルカリでは3000円や4000円で出品され、取引が成立していた。出品者は神奈川、岐阜、愛知など、取扱店が近くにある人が多い。楽天のフリルでは、6個セット1万5000円で取引されているものや、1ケース3万円の出品も確認できた。同研究所の担当者は転売について
「犯罪ではないし、高くても買いたいニーズがあるなら構わない、というのも分かります。ただ、一般企業であれば、生産量や販路の拡大もできますが、大学は営利目的の販売をしていないのでできません。広報と寄付を目的に売っている中、転売で価格が吊り上がるのは個人的にもどかしさ、歯がゆさを感じます」
と明かす。本来、パズルの売り上げは、製造コストや販売委託料を除くすべてが若手研究者の雇用や研究所の環境整備などに充てられるという。転売品を買っても、定価に上乗せされた分は転売者の懐に入るだけで、研究所の利益は一銭も増えない。
こうした事態を受け、パズルを返礼品としたクラウドファンディングの検討も始まった。営利を目的としない大学でも、「クラウドファンディングの寄附の、ひとつのリターンとしてジグソーパズルを後日お届けする、そんな仕組みならできるかもしれません」というのだ。
開始時期は未定だが、「学内の、寄付受け付けサイトの枠内で進めたいと思っており、現在そちらの窓口と調整中」とのことだった。
〈3〉そういう状況のなかで、数少ない商品を買い占めて価格を釣り上げ、利益を得ている人がいること、またそれにより、純粋にほしい人にパズルが届かないことが、なんとも歯がゆいのです。反応が怖いですが言います。「高く買わないでください」 pic.twitter.com/Q2IES55Kb3
— 宇宙線研究所 (@ICRRpr) 2017年12月11日