なぜバブル世代は嫌われるのか 「人口比率が高く若手の出世に影響」「経費を無駄遣い。感覚が違う」
ボディコン、太眉、肩パッド。日本が異常なまでに好景気だった1986~1991年頃。いわゆるバブル景気だが、当時は就職活動の場も超売り手市場だった。多くの学生がバブルの恩恵を受け、容易に就職することができたのだ。
そんな「バブル世代」も現在は、40代後半から50代前半。会社の中枢を担っているが、”下の世代”からの評判は厳しいようだ。企業口コミサイト「キャリコネ」に寄せられた声を紹介する。
大量のバブル世代のためにポストを増やした結果「4割がマネージャーという異常事態」
「バブル世代はその他世代に比べると採用人数が圧倒的に多いため、会社の主軸を担っている一方、???な人も数多く見られる。そんなしわ寄せを受けてか、若手社員には企画募集のチャンスがあまり巡ってこない」(企画営業 30代前半 男性 正社員)
「バブル世代の人口比率が多く、人事が停滞している」(代理店営業 30代前半 男性 正社員)
「バブル世代が大量におり、ポストが足りずポストを増やした結果、4割がマネージャーという異常事態」(社内SE 30代前半 男性 正社員)
大量に採用されたバブル世代が、若手社員のステップアップの弊害になっているようだ。恵まれた環境で容易に就職できたバブル世代。
しかしバブル崩壊後の不況により、必要な研修や教育費が削られ、十分な経験がないまま昇格してしまう事態が起きた。その結果、能力や実績と賃金が見合っていない「会社のお荷物」のような社員も存在する。
バブル世代は同期も多いため、昇級してもポストが足りず、「部付部長」や「担当部長」など新たな役職が設けられることも。こうした世代が上に詰まっていると若手社員の昇級は難しく、社内の若返りも停滞してしまう。
「ノリについていけない」「感覚おかしい」バブル世代が煙たがられるワケ
就職活動期を異常なまでの好景気で過ごしたバブル世代は、派手な消費傾向を持ち、世渡り上手でコミュニケーション能力が高いと言われている。しかしそんな彼らの行動様式や金銭感覚が、下の世代との軋轢を生むことも。
「上層部がバブル世代で、強制的なイベントに参加させられる事が多い。喜んで参加している者はほぼ皆無」(その他 20代後半 女性 正社員)
「事務職の正社員はバブル世代の女性ばかり。あまり売り上げが良くない時でも、会食で無駄に経費を使い、感覚がちょっとおかしいなと思うところがありました」(営業事務・管理事務 30代前半 女性 契約社員)
「バブル世代が多く非常に保守的な考え方の上司が多い。新しいことに一致団結して取り組めないため、新規案件を受注できない」(プロジェクトリーダー 30代後半 男性 正社員)
入社してから数年は、裕福な環境でさまざまな仕事に挑戦することができたバブル世代。当時は、新入社員が新規ビジネスの立ち上げを任された時代だ。そうした体験や経験が彼らの自信につながっているのかもしれない。
そんなバブル世代とよく比べられるのが、「就職氷河期世代」。バブル崩壊後、超狭き門をくぐり抜けてきた世代だが、バブル世代は、優秀な下の世代から疎まれる存在になっている。「新卒主義」の企業が景気の良い時期に大量採用し、不景気時に一気に採用枠を減らした結果、世代間の能力差や昇級の弊害が浮き彫りになってしまった。
こうした採用方法を見直さないと、今後も同じ問題が出てくるだろう。企業側も景気の良し悪しや年齢に左右されず、能力のある人物を採用するべきだ。