2019年卒の採用戦線、企業の半数が「苦戦」と回答 「第一志望の会社になれない」「学生の志向がわからない」
ディスコは4月5日、「2019年卒・採用活動の感触等に関する緊急企業調査」の結果を発表した。調査は今年3月にインターネットで実施し、2019年度の新卒採用を予定している企業648社から回答を得た。
2019年の採用見込みを聞くと、「2018年より増やす」が33.6%で、「減らす」(6.3%)を大きく上回った。特に「IT」(42.0%)で高い割合となっている。一方、「金融」のみ13.3%と低く、「前年より減らす」が30%となっている。
9割が採用活動に「危機感」 特に危機感を持っているのは「商社・流通」
現時点での採用活動の感触を聞くと「苦戦」(46.3%)が半数近くで、「順調」(17.9%)は2割未満に留まった。業界別に見ると、苦戦が最も多かったのは「商社・流通」(56%)、次いで「金融」(46.7%)と続く。採用活動の感触を具体的に聞くと、
「学生の志向が読み取れず、どのような打ち手が最善かわからない」(メーカー)
「内定を出しても辞退されてしまう。第一志望の企業にならない」(IT)
「メガバンクのリストラ報道の影響で、金融業界全体を志向する学生の分母が減少しているため」(金融)
という声が上がっている。
また学生のプレエントリー数は「減った」(39.6%)が「増えた」を9.4ポイント上回っている。特に「金融」(56.6%)、「商社・流通」(45.6%)で減少している。しかし「IT」の44.9%が増えたと回答している。
自社セミナーへの参加者数も「減った」(39.5%)が「増えた」(25.9%)を上回っている。業界によって差があるが「減った」が多いのは「金融」(50%)で、「増えた」は「IT」(37%)で多かった。
採用活動への危機感を持っているという企業は約9割にもなり、特に「かなり危機感がある」と回答した企業は「商社・流通」で51.8%に上った。
応募者を増やすため、さらなる「合同企業説明会」など参加を検討する企業も
インターンシップ実施による採用母集団形成への効果を聞くと、「感じている」が68.4%。特に従業員数が大きいほど効果を感じており、「1000人以上」の企業では78.8%にのぼる。業界別では「メーカー」(75.3%)が最多となっている。
追加の母集団形成は47%が検討しており、「合同企業説明会」(56.4%)、「学内セミナー」(55.6%)、「就職情報サイト」(51.8%)で強化を図る企業が多い。
面接開始時期を聞くと、「IT」は3月(55%)、「商社・流通」は4月(44.7%)に集中しており、「メーカー」は3月(35.3%)と4月(40.7%)に分かれている。「金融」は4月(33.3%)が最も多いが、5~6月も3割程度が実施しており他業界と比較して採用活動を長期間実施しているようだ。