「ムードメーカーだから」成果出さずとも会社に残れる人達 人間関係力の高さは仕事の能力よりも重視されるの?
大して成果も上げないのに、職場でやけに堂々としている人っているものだ。コネ入社にあぐらをかいていたり、幹部の愛人であることが周知の事実で、立場に乗じて好き勝手していたり。派遣社員に責任を押し付け、自分はろくなタスクをこなさない正社員もいる。
中でも多いのが、口八丁の世渡り上手な才覚のおかげで、仕事ができなくても「ムードメーカーだから」とかいう意味不明な理由でクビにならない奴らだ。彼らは、持ち前の調子の良さをフル活用し、上司におべっかを使ったり、部下におごったりなんかして全方位の機嫌を取りにかかる。
これも一つの才能。淘汰されないための工夫といえばそうなんだけど、純粋な実力でない部分を買われて会社にしがみついている人って、冷静に考えればお荷物ではないだろうか。(文:松本ミゾレ)
「会社なんて無能でも人間関係を転がしていれば生き残れる」?
先日、5ちゃんねるに「会社なんて無能でも人間関係だけ上手く転がしていれば生き残るだろ」というスレッドが立った。ずいぶん極端な言い分だが、実際これを地で行くような労働者もいるにはいる。スレ主の周囲にそういった人たちがいて、何か思うところがあったのかもしれない。
僕も昔は会社員だったけど、同期の中には「仕事なんかできなくても、愛されキャラになればいいんだ」みたいなスタンスで働いている者も確かにいた。「そんなに上手く行くものかよ」と思っていた。が、よくよく職場を見渡すと、そこそこの役職に就きながらコピーすらまともに取れず、ご機嫌取りが上手いばかりに重宝されているおじさんもいた。
こういう人材が許される風潮の職場であれば、たとえ無能でも生き残ることは可能かもしれない。あるいは営業職だったら、人柄もまた強力な武器。活用すればきっと会社に利益をもたらすだろう。でも、それ以外の職種ではどうか。人間関係構築が上手いだけの人がクビにならず残っているというのは、僕は正直気に食わない。
能力ある人材が正当に評価されて欲しい。そういうスタンスなので、能力がない、あるいはあっても発揮しようとしない人材は、企業にとってガンであると考えてしまう。
「有能だから人間関係も上手く転がせる」「調整能力って難しいスキルだぞ」
でも、こういう僕みたいな考えは、もしかすると間違いなのかもしれない。スレッドには僕とは全く逆の方向性の声も少なくなかった。
「重要なスキルだけどな。自分で出来なくても出来る人を知ってることの方が大事。全部自分でやろうなんてありえないから」
「調整能力ってかなり難しいスキルだぞそれがあるなら起業できるよ」
「有能だから人間関係も上手く転がせるんだよ」
「上司次第でしょ。今は昼寝してすきあらば麻雀ばかりやってるけどA評価だわ。前の上司のときは蟻のように働いてB評価つけられたし」
認めたくはないけど、そういう会社があることは事実なんだろう。
そういう場所では、口のうまい人材が優遇される一方で、対人スキルが乏しくも結果を残している人材が正当に評価されているか、気になるところだ。人間関係を構築・維持するのが苦手な人は、その心証から不当に低く評価される可能性がある。場合によってはいじめを受けることもある。
有能な人材がそういった待遇を受ければ逃げ出すのは明白だ。その結果、会社に利益をもたらせる人員が減少し、お調子者だけの職場になって焦ってももう遅い。口の上手い人を重宝するのもいいが、日ごろから地道に結果を残している人材を評価できているか、確認する必要はあるんじゃないかな。