【最新版】営業が働きやすい企業ランキング 1位はリクルートHD「成長志向の高い人に支援を惜しまずしてくれる」
企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」は11月1日、「営業が働きやすい企業ランキング」を発表した。
営業は「ノルマがきつい」「拘束時間が長い」などのマイナスのイメージを持つ人もいる一方で、「努力したぶん、数字にあらわれるのでやりがいがある」といった声も聞かれる職種だ。実際に営業として働きやすいのはどんな企業なのだろうか。
今回は「キャリコネ」の営業職ユーザーによる「労働時間」「やりがい」「ストレス」「休日」「給与」「ホワイト度」の6項目の評価の平均点(総合評価)が高い企業をランキング化した。【参照元:キャリコネ】
野村證券「知識、トーク、自分のキャラクターなど総動員して成果を挙げるのがやりがい」
1位:リクルートホールディングス
~働き方改革・ダイバーシティに積極的で関連の賞を多数受賞~
1960年に大学生向けの求人広告を扱う広告代理店として設立。その後時代のニーズに合わせて柔軟に変化し続けたリクルート。現在はHRテクノロジー、メディア&ソリューション、人材派遣の3つの事業をメインに展開している。
営業職の仕事内容は取り扱う商品やサービスによって異なるが、単なるルート営業ではなく、クライアントの課題を特定し、ソリューション提供・改善策の提案まで担う。報酬はミッションや成果に応じて決まり、新規事業を提案できる制度や表彰制度が充実。
社員の「起業家精神」や「イノベーション創出」を重要視する風土で、それらを反映してか特に「やりがい」の項目が高評価となっている。
「前向きな事業への提言を受け入れてくれる環境。成長志向の高い人への支援を惜しまずしてくれる会社。仕事内容により違いはあるが、個人の志向性を大事にしてくれるので、キャリアや挑戦したいことを伝えることで業務外のアドバイスも真摯に対応してくれる方が多い印象。公募制の新規事業エントリー等の制度もあるので、制度を活用しながら仕事を作っていくこともできる土壌は整っているほうだと思う」(企画営業/30代前半女性/年収900万円/2015年度)
2位:NEC(日本電気)
~世界No.1の顔認証技術。東京五輪のセキュリティチェックに導入~
各項目バランスよく高評価を得たのが「NEC」。売上国内2位(2017年)の大手メーカー系ITサービスベンダーだ。
同社の営業は、いわゆる「ソリューション営業」。顧客が抱える問題を確認し、その解決のために自社のサービスをどのように活用すればいいかを考えて顧客にアピールしていくもので、企画力や行動力などが必要となる。
研修制度などバックアップ体制も万全。入社後3年間は、体系的なOJD(On the Job Development)が用意されている。また、独身寮や家賃補助などの福利厚生や、ファミリーフレンドリー休暇、リフレッシュ休暇といった休暇制度も充実している。
「若手であっても非常に大きな顧客やプロジェクトを任せてもらえる。部署や上司にもよるが、フォローしてもらえる体制もできており、思い切って仕事に打ち込むことができる。業界的にも競合が非常に多いなかで、大きな仕事を受注できたときやプロジェクトが完了したときには達成感とやりがいを感じる」(法人営業/20代後半男性/年収600万円/2013年度)
3位:野村證券
~国内最大手のガリバー証券。育児支援制度も充実~
1925年の創立以来、日本の証券市場を牽引してきた国内最大手。各店舗で個人や法人を相手に営業を行う。また、機関投資家らを相手に働きかけるホールセール部門での営業も。
「高給」「激務」のイメージもあるが、初任給に関しては日本全国の平均20万6100円(2017年)に対して、24万5000円(総合職A社員・B社員の場合)。また、野村ホールディングスの平均年間給与は約1455万円(※2018年3月期の有価証券報告書に記載の数値)で、確かに高待遇といえる。
仕事内容に関しては「きつい」と感じている口コミと「楽しい」と感じている口コミが共に見られる。個人の捉え方で異なるようだ。それが「やりがい」「ストレス度の低さ」の評価に顕著に表れている。
「目標は高い。常にチャレンジングな目標を掲げて試行錯誤して成果を追い求める毎日を送ることになる。金融知識、セールストーク、本人のキャラクター、顧客との関係構築、商品の魅力、上席者との相談や同席、気合いなどありとあらゆることを総動員して戦い、成果を挙げることはやりがいがあると思う」(営業マネージャー/30代前半男性/年収1050万円/2017年度)
アフラック生命保険「女性にとってはこれからチャンスだと思います」
4位:ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン
~1902年創業のグローバル企業の日本法人。実力主義の報酬体系~
55か国以上でトップシェアを獲得しているイギリスの老舗たばこ会社の日本法人。日本では、「ケント」や「ラッキーストライク」などの銘柄を海外拠点から輸入販売する会社として知られている。
報酬に関しては、個人の「業績」「貢献」に応じて支払うと明言。コンビニエンスストアなどへのルート営業がメインと見られる。「やりがい」の評価は低めな一方、「休日」の評価が極めて高くなっている。「有休がとりやすい」という内容の口コミも複数見られた。
2015年よりテレワークや短時間勤務制を導入。個別の事情に合わせて働き続けやすい土壌を整えている。
「基本的に有休は好きなときに取得できる。もちろん、普段の業務が入っているときは取得しにくいが、自分の担当している業務の進捗次第で取得可能。スケジュール的に業務が過密ではないときに、大型連休を取得している人間が多い。大型連休を取得して、海外にいったり、地元に帰省したり。残業は部署によって変わるが、基本的に21時以降はほぼ残業している人間はいない」(ルートセールス/20代後半男性/年収650万円/2016年度)
5位:東芝
~「わが国初」「世界初」を次々完成。くらしを豊かにしてきた大手電機メーカー~
1950年代に三種の神器と言われた「白黒テレビ・電気冷蔵庫・電気洗濯機」。そのうち、電気冷蔵庫と電気洗濯機を国内で初めて製造した、白物家電のパイオニア的電機メーカーだ。
2015年に不正会計が発覚して以来業績が悪化し、事業を次々と売却。現在の営業職の仕事としては、例えば官公庁・自治体などを相手にインフラ系の製品・サービスなど提案するというものがあり、専門知識やリレーション構築も重要となる。
項目別にみると「休日」の満足度が高い結果となっており、有休取得率の全国平均が5割程度なのに対して、同社は約84%。育児や介護と両立するための支援策も数多く用意している。
「気さくな先輩が多く、後輩に対しても基本的に身内の意識でやさしく接してもらった記憶がある。結果のみでなく過程も評価される気風、また効率一辺倒でなく各人の個性や自我も尊重するような社風があった」(代理店営業/30代後半男性/年収450万円/2012年度)
「社員はとても良い人間達。基本的に気持ち良く働ける。仕事内容も洋服が好きな人にとっては楽しくできると思う」(営業マネージャー/40代後半男性/年収850万円/2016年度)
「年に2回、特別連休として5連休を取得することが義務付けられており、ほぼ全員が取得している。5年ごとにリフレッシュ休暇もあり、特別連休とは別に取得することができる。休暇制度は充実している。残業管理は職場によるところがあるが、基本的に管理は厳しく、長時間残業を是とする雰囲気はない」(代理店営業/30代前半女性/年収550万円/2016年度)
「今年はダイバーシティ推進にものすごく力を入れており、女性の管理職登用を積極的に行おうとしています。例えば、昇格間近の女性が特別に研修に呼ばれたり、男性管理職も女性登用の研修をうけたりしているようです。女性にとってはこれからチャンスだと思います」(代理店営業/20代前半女性/年収590万円/2015年度)
「福利厚生は抜群にいい。休みは必ず消化することが義務づけられているし、サービス残業なんて基本的にはあり得ない。産休育休も皆とれるし当たり前だと思っているので会社や同僚、上司から文句を言われることもほとんどない。給与は低いが、病気になって休職してもすぐにやめてくれとはならないからフォローもしっかりしている」(カウンターセールス/20代後半女性/年収330万円/2017年度)
「若手のうちから主担当としてあらゆる業界業種のお客様を担当させてもらえる。会社自体に一定の看板があるため、余程運が悪くない限りお客様とも面談の時間を頂け、そこから多くのことが勉強できる」(法人営業/20代後半男性/年収400万円/2017年度)
調査対象は、『日経業界地図 2018年版』(日本経済新聞出版社)に記載があり、対象期間中に「キャリコネ」に職業「営業」のユーザーから給与・残業情報が20件以上寄せられた企業。対象期間は、2017年4月~2018年3月。