過労死ライン越えの人が見た地獄「休みを取ることが逆に面倒になる」「ストレスで血圧が2倍に上昇」
月80時間の残業は過労死ラインと呼ばれ、これを越えると突然死や過労自殺のリスクが上がると言われる。キャリコネニュースのアンケートには、80時間を超える残業で心身の限界を感じたことのある人たちから、悲痛な叫びが寄せられている。
技術職に従事する30代男性は、月に120時間のサービス残業や土曜出勤が当たり前の会社で働いていた。その労働環境から心身のバランスを崩して退職する先輩が後を絶たず、トイレで倒れた先輩もいたという。
「精神的に病んだ先輩の親が来て会社を訴える騒ぎになっていたくらい。それでも劣悪な労働環境は変わらず。新卒3年以内の離職率が90パーセントを越えるような所でした」
「身体は常にだるくて思い。思考能力が落ちてくるのが自分でも分かる」
工事現場の責任者を務めていた30代男性は、勤務先が現場を無視して決めた工期に苦しめられた。男性は当時の様子をこのように綴っている。
「残業、休日出勤が連続で続くと、休みを取ることが逆に面倒になる。身体は常にだるくて重い状態が続き、思考能力が落ちてくるのが自分でも感じる。考える事が億劫になってくる」
疲労で考える力がなくなり、現状を疑ったり、変えようとしたりすることすらできなくなる。ブラック企業で働く人は、このような負のループに陥ってしまう。
男性がやっとのことで仕事をやり遂げても、会社からは当たり前だという反応しかないという。男性は、「客先には感謝されるが、自分の会社からは特に何もなくやり場の無い気持ちでいっぱいになる」と心境を吐露した。
医師以外のスタッフは「医療以外の付加価値を求められる」毎日4時間以上の残業
働き過ぎは心身を確実に蝕む。技術職として働く30代男性は、80時間を超える残業をすることで、血圧に異常を来たした。以前は上の血圧が80ほどだったのに対して、長時間の残業後は150台と、2倍近く上昇した。その後は残業時間が減ったため、大きな不調なく済んだのが幸いだ。
長時間労働が深刻なのが、医療業界だ。ある30代男性は、「医者以外の医療系技術職は、医療以外の付加価値を多く求められる」と明かす。診察後には事務や求人対応に追われ、1日平均4時間以上の残業が当たり前だった。医療現場の労働環境について男性は、
「医療は典型的なパワーハラスメントの体制が出来上がっている。過度な労働時間、過度なストレスに追い込まれ、めまい、頭痛に加え全身の火照り、倦怠感が強く、思考も低下する。ろれつが回らなくなり、どんどん悪循環に陥っていく」
と書いていた。