ブラック企業で心身を壊した人の体験談「手巻き寿司を1日180本巻いて後遺症」「残業100時間の薄給仕事で精神疾患に」
老人施設のスタッフとして働いていた40代女性は、自力排泄や摂食ができない入居者50人ほどの夜間ケアを1人で行なっていた。タイムカードに残業時間は記載されず、当然支払いもない。
過去、夜間に救急搬送があり、呼び出されても給与は出なかった。過去のタイムカードは常務の部屋にある施錠された金庫にあり、「開示請求もできない」という。当時の激務っぷりについて、
「離職率は異常に高くて、公休なのに時間休程度しか休めない。別の仕事も受け持ちさせられ、身体を壊して入院し、現在は障がいを持っています」
という。クリエイティブ職の30代男性は、精神疾患により退職し、現在は療養生活を送っている。当時の勤務先では「給料は安く、残業100時間超えは当たり前」という労働環境だった。
東南アジアから働きに来た従業員が数人いたが、激務に耐えきれず2か月ほどで退職。その際、彼らが放った言葉が心に残っている。
「もう無理だといいたかったのでしょう。1人が『私はおしんではない』と泣いて出ていきました」
「暴言などで従業員を精神的に追い込み、心身を壊してしまう」
40代の男性は、脳出血のため入院した際、給与の支払いが止まったという。勤め先から、「入院翌月から税金が差し引かれたマイナスの給与明細が届きました」というのだ。
「その分の金額を、『退職金共済で払え』と退職を迫られ、支払いのために20年勤務した会社を退職しました」
心身が弱っている状況にも関わらず、勤務先は金銭的な心配を与え、さらに追い込んでくる企業もあるようだ。ほかにも、
「暴言などで従業員を精神的に追い込み、心身を壊してしまう」(30代女性、販売・サービス業)
「勤務前の開店準備中に、上司から平手で殴られた。別の上司には勤務中に舌打ちや、『店長を続けたいならこうやれ』と強い口調で言われ、精神的に追い詰められた」(40代男性、販売・サービス業)
という体験も寄せられた。