パーソル総合研究所は6月25日、「ワーキングマザー調査」の結果を発表した。調査は今年1月にネット上で実施し、第1子が小学生以下で、妊娠中に正社員で産後復帰した経験のある女性、妻が産後復帰した配偶者男性、上司、同僚、いずれも20~59歳の男女計2100人から回答を得た。
ワーキングマザーで「管理職として働きたい」という人の割合は、出産前で19.6%だが、3歳未満の子どもがいるときだと7.7%に低下する。しかし、3歳以上の未就学児の子どもがいるときは10%、小学生の子どもがいるときは17.3%と上昇していく。
さらに、現在「小学生の子どもを持つ正社員女性」の中で将来的に管理職で働きたい人は「子どもが中学~高校生になったとき」で20%、「子どもが高校~大学生になったとき」で23.7%にのぼる。
復職後、正社員を辞めた女性の半数は「声を挙げても職場は変わらない」
育休中の過ごし方で復職後に役立ったことを聞くと、1位は「復職後の分担について夫婦の話し合い」(67.6%)。復職後に夫に家事育児に参画してもらう協力体制を作っておくことで、仕事と子育てを両立しやすくなるためだと考えられる。
2位以降、「働く意義の明確化」(66.3%)、「会社の人との交流」(63.9%)、「キャリアの棚卸し」(62.2%)、「ママ友づくり」(57.9%)と続く。
ただ復帰後、正社員を辞めた女性(300人)で「自分が声をあげても職場は変わらない」と回答した人は51%で、現在も正社員の女性(900人)の38.8%を大きく上回った。
この職場内の”対話無力感”に影響するものとしては、「社員の意見が経営に反映されない」「上司がスキル・能力を活かせるような仕事を与えてくれない」といった職場要因や、「職場で個人的な願望を伝えるのはよくない」「子どもがいたらやりたい仕事をするのは無理」など本人の固定観念によるものがあげられる。
同社は、ワーキングマザーが思い込みで諦めてしまわないよう、組織に貢献できる働き方などを考える柔軟な姿勢を示し、相談を促すことが重要としている。