「下に押しつけ、口だけ出して責任をとらない。仕事もしない人間が、結果的においしい思いをして生き残っていく。無能な上司、年功序列で将来性のない組織、スキルも大して身につかないことから、30~40歳前後で見切りをつけて退職する人も少なくない」(その他、60代、男性、正社員、年収550万円)
働き盛りの30~40代の中堅層という、最も賑わいの欲しいゾーンから寂しくなってしまうのは、まるで都市の「ドーナツ化現象」と一緒だ。こうした会社は年功序列を断ち切らない限り、無能な上司が地位を独占していく「負のスパイラル」が止まることはないだろう。
また、「ドーナツ化現象」と「負のスパイラル」が進んだ先には、
「会社の経営不振による早期退職勧告で半分の社員が退職。また、給料形態が最悪。基本給が低すぎるし、昇給額も数百円程度。今後の業績も上がる見込みは少ない。どの部署にもお局さんがおり、関係は良好ではない。そして無能な上司が多いため、何のために働いているのかわからない」(購買・資材、20代前半、女性、正社員、年収320万円)
と、仕事の目的を見失い気力を失ってしまう人も出てくる。一口に経営不振といってもさまざまだが、無能な上司が牛耳る会社に未来は残されていないだろう。
「上に何か言うと評価が下がるため、何も言えず後から問題が発覚するケースが多い」
「必ずしも優秀な人間が可愛がられるとは限らない。能力が低い人間でも、直属の上司に気に入られてさえすれば全く問題はない。ただし、上司が変わった場合にその人間は非常に辛い思いをするだろう。無能な上司に嫌われて、行動評価を悪くつけられてしまうと、上司が変わっても挽回に時間がかかるだろう。それだけ人を見る目がある人材は少ない」(MR、30代前半、男性、 正社員、年収750万円)
「実際に働いている人のほとんどは頭がよく、本当にエリートな感じですが、問題になることを分かっていても上に何か言うようなら評価を下げたりするので、何も言えずあとから問題が発覚するケースが非常に多い。優秀な人は多いが無能な上司に潰される」(技術関連職、20代前半、男性、正社員、年収300万円)
無能な上司は、自分の気分次第で評価を行うようだ。社内で実力のある社員が、独断で評価を下げられる。そうかといえば、ゴマすりだけで一定以上の評価が得られる、実力のない社員も存在するのだ。挙句の果てには、
「上司に気に入られないと出世できない。昇格試験があり、そこでの筆記、面接の一発勝負で決まる。かなり不公平感があると思う。無能な上司が多い」(技術関連職、30代後半、男性、正社員、年収500万円)
というシビアなケースもある。これだと、何のための筆記試験だか分からない。
評価というのは、些細な悪評が後に響くこともある。不当な評価と感じたら、その場で上司に確認することが大切だ。そこで聞く耳を持ってくれない上司なら、転職を考えた方が賢明かもしれない。我慢して残ってストレスを抱えるより、よっぽど有意義な時間の使い方ではないだろうか。