「働いた後のビールはうまい」現象は脳科学的に正しかったことが判明 報酬を得るための努力が報酬の価値を上げる | キャリコネニュース - Page 2
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「働いた後のビールはうまい」現象は脳科学的に正しかったことが判明 報酬を得るための努力が報酬の価値を上げる

刺激への反応時間や試行のエラー率から、サルは明らかにハイコスト課題を嫌っていることが分かった。しかし、コストの後に報酬が来ることを指示する刺激への反応時間は、ハイコスト課題のほうがローコスト課題より有意に早かった。これにより、サルはハイコスト課題で得られる報酬を好んでいることが分かった。

また、この課題遂行中のサルの中脳ドーパミンニューロンから電気信号を記録・解析した。中脳で放出されるドーパミンニューロンは、報酬に基づく強化学習に重要な役割を果たしていると考えられているほか、ドーパミンニューロンの報酬予測誤差応答は、価値の相対化に強く関わっているとも考えられている。実験の結果、ドーパミンニューロンの報酬予測誤差応答から、サルの脳は、ハイコスト課題での報酬のほうが価値が大きいと判断していたことが分かった。

さらに、ハイコストとローコストの設定は同じまま、2つの刺激の中から報酬刺激を選ぶことを学習する課題(1つを選べば報酬、もう1つを選べば無報酬)を導入し、サルが報酬刺激を学習することとコストの有無との関係を調べた。この結果、コストがある方が有意にこの学習を促進することがわかった。

研究成果について同研究所はリリースで、「これまでなんとなく、『働いた後のビールはうまい』と言われていた現象がなぜ起こるのかという脳メカニズムを明らかにした」と述べている。

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