ブラック企業の日常では、通常では考えられない予想外の事態が当然のように多発する。中には、理不尽きわまりないものも少なくない。現にキャリコネニュース読者からも、
「自分勝手に規約を決めて、それを社員に無作為に押しつける。気に入らない社員がいれば、みんなをそそのかして辞めさせる。クラブ活動が賭け麻雀で、参加しないと無視が始まる」(30代男性、クリエイティブ職)
といった声が寄せられている。降りかかった火の粉は、時に自分では振り払えないこともあるのだ。今回は、そうしたエピソードを拾ってみた。
朝6時半から始まる会議では、社長のコーヒーを1階のカフェまで降りて買いに行く
営業職の40代男性は、元勤務先の風潮を綴った。朝6時30分からはじまる所長会議では出席者が、社長のコーヒーをビルの1階のカフェまで下りて買いに行くのが習慣だった。選ばれた社員は、社長の好みに合わせて細かいオーダーを調えていたという。
しかし、会議の開始時間は社長の気分次第。お昼近くになることもしばしばで、その間は会議室で待っていなければならなかった。しかも、「冷めたコーヒーの代金は買った社員持ち」だったという。
管理・事務職の20代女性は、会社の無茶振りを明かす。先輩が実質1人で切り盛りする職場だったが、女性が入社するとその先輩は退職。そのため、引き継ぎのないものも含め、会社の全てのことをやらされた。一般事務のはずがまったく異なる業務内容だった。
そうした中、会社命令で、「『明日、韓国に出張に行け』と金曜日の残業時間に言われた」という。それでも女性は、今もその会社にいるそうだ。
「試用期間だから」と保険証を渡してくれないペットショップ
以前、ペットショップで働いていた20代男性は、無責任な店長の迷惑行為に苦しんだ。本来なら注射は獣医でないとできないが、頼むと金がかかるという理由で「スタッフがやり方を覚えてもらう」と言われた。
入社時に健康保険証について聞くと「法律通りちゃんと渡す」と言われていたが、その後の応答がない、催促をすると、「正社員雇用だけどまだ試用期間だから、各種保険は待ってて」と先延ばし。
男性は病院に通う都合で、再び保険証や契約関係の確認をしたが、「入ったばっかりなんだから意見や要求をしてはいけない」と言われる始末だった。
「それでも店長に契約書の確認を求めると、『本社に送ったからない』と言われ、店長代理の先輩に相談。実際にはパソコン内に保存してあったものを確認できました。つまり、契約違反について問い詰められると困るから嘘をついたのでしょう」
労働時間にも不満を抱いていた。営業時間はすべて就業時間で、接客などの業務を終えてから閉店作業にあたっていたがその間は残業となる。しかし残業代は支払われない。男性はその件も含めて保険証について再度確認したが、「店長だけど自分の管理ではない」とまたしても言い逃れされた。
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