技術職の50代女性は、元勤務先について「明らかな詐欺行為をしていました」と明かす。お守りを売る会社で働いていたときのことだ。国内生産と謳いながら、中国から輸入した海外製を売る会社だった。
「パートや内職に『国内製』と書かれた内札を入れさせ、メイドインジャパンと謳って納品。輸入の際も税関に引っ掛かるからと社員数人で個人旅行を装い、大きなスーツケースに海外製造産のお守りがたくさん……。密輸っぽいことを普通にしていました」
以前、ある会社で経理をしていた50代女性は、当時の劣悪な環境について振り返る。不動産会社への転職を決めたものの、配属先はグループ会社ではあるが不動産とは何ら関係のない会社の経理部門だった。
「そこの全従業員は、タコ部屋のような狭い事務所に押し込められて働いていました。電話回線ごとに会社名が割り当てられ、電話に出た人が各会社名を名乗り対応しないといけなかった」
「帰ろうとしたところに内線電話を鳴らし、社長室に招集。従業員の悪口を聞かされる」
女性は「いつから務められているのですか?」と周りに質問したが、大半は新人で指導者もいなかったという。引き継いだ経理も、証票類から現金出納帳、会計ソフトまで、内容がすべて合っていなかった。勤務時間は9時半~18時半、残業はなしと聞いていたが、
「社長が18時半少し前に出勤してきて、帰ろうとしたところに内線電話を鳴らし、社長室に招集します。仕事の話というより、従業員の悪口がほとんどで、1週間ごとにターゲットが変わっていき、ターゲット以外が招集されます」
という。女性はターゲットになると早く帰れるのはいい、というが「泥棒扱いにされたり言ってないことを言ったことにされ、従業員同士で揉めるように仕向けられるので、人間不信になりました」と綴っている残業代は給料込みで、終電を何回か逃しそうになったこともあった。
「常に退職者が出るので仕方はありませんが、試用期間中は社会保険にも入れてもらえませんでした。仕事のミスは罰金制度。平成から令和に変わるとき、社内の伝票で『平成』が一つ出るたびに500円の罰金がありました」
女性は「バカバカしいので退職しましたが、最後は大揉めでした」という。