面接時に社長から「うちはアットホームな職場なのよ」と言われ、転職を決めた。病気がちで薬代のかかる娘がいることもあり、
「あなたは今の会社ではパート止まりでしょ。うちに来たら、社員にして給料も上げてあげるわ。お子さんの行事で休みたい時もみんなで調整するから休みやすいわよ!」
という言葉に胸を打たれた。ところが、
「初日から、まるで馬車馬のように1秒も休めないほど働かされました。社長の息子である部長がずっとついてきて、まだ慣れていないのに常に怒鳴られる始末。トイレも行かせてもらえず、水分も取れず……」
唯一ある昼休みも、全社員が社長を囲い、従業員は「社長が恐いのかずっと社長を褒め称える1時間」だったという。翌日、女性は昼休憩が怖くなり「家に忘れ物があるのでちょっと戻ります」と社長に伝えた。すると、「あんた、必ず戻ってくるんでしょうね」と凄まれた。
その日は、他の従業員がパワハラを受ける場面も目にしたという。
「2歳のお子さんを持つ、勤務歴8か月の若い方です。部長の腹心の部下に1日中怒られて、涙を流しながらケーキ型に生地をホイップしていました。『あれが私の行く末か』と思うとダメでした」
さらに部長の対応が女性の退職に拍車をかけた。半月後に子どもの学校行事の予定があったので、部長に休みをお願いしたところ、
「製造はな、人手が少ないんだよ!基本うちの会社は、休んじゃいけないんだよ。今回だけ特別だぞ!」
と凄まれたという。
「少し休んで体力が回復したら来ればいいじゃない」 その言葉も恐怖に
その恐怖から、次の日はで体が動かなくなった。もうダメだと思い、電話で部長に退職したいと伝えた。
「また凄まれるのかと思いきや、退職者が多かったのか、部長は猫なで声で『少し休んで体力が回復したら来ればいいじゃない』。でもその言葉も恐怖としか聞こえませんでした」
このケーキ工場の前は勤続9年。女性は「自信を持って働いていただけに、このケーキ工場のブラック企業のせいで、前のキャリアも全部なくなってしまって悔しくてなりません」と綴る。以来、ネットや百貨店でそのカップケーキを見かけると「その度に握りつぶしてやりたくなります」と怒りを露わにしている。
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