同社の広報は、新制度導入の背景について
「時代とともに多様化する働き方などに対応するため」
と説明する。従来の”終身雇用制度の崩壊”が叫ばれて久しい昨今。転職のハードルが下がり、さまざまな会社でのキャリア形成を身近に考える人も増えてきた。一方、労働人材の確保も急務だ。同社は、制度のねらいをこう語る
「退職後に培ったノウハウや知見に加え、在職時の経験を生かした即戦力を求めている」
さらに、同社で働いた経験もあるので、あらかじめ理念や社風のミスマッチを防ぐことができ、応募者、採用側の方法のリスク軽減が期待できるという。
同社では、2014年から退職者が再就職できる社内規定を設けていた。だが、対象者が結婚や出産、親族の介護、配偶者の転勤などに限定され、かつ退職時に届け出ることが必要など、なかなか活用が難しかったという。
一方、今回の新制度では、応募者の退職理由や退職後の就業経験などは問わない。同社は
「退職者の再就職を歓迎することで、社内のさらなる活性化や、新たな価値創出を目指したい」
と期待感をにじませている。