待遇や環境の悪さから、精神的に疲弊して辞めていく人が多いブラック企業。中には、精神的な苦痛を通り越して、怖い思いをしたという人も少なくはない。技能工の40代の男性は職場で重大災害が起きたときの経験をこう綴る。(文:林加奈)
「人が亡くなったが、ラインが通常通り稼働した。『死人に口なし』で原因が亡くなった人の操作ミスにされた」
退社願を出すも「逃げられると思うなよ」
ブラック企業経験者のキャリコネニュース読者からは、こうした”ブラック企業の怖い話”が多く寄せられている。20代女性は過去に勤務した不動産仲介業を行う会社について、「先輩が痣だらけになるまで殴られている姿を見て、やばいなとは思いました」と明かす。
それだけではなく、パワハラ・セクハラは当たり前。定時で帰ると社長に怒鳴られるため、繁忙期でなくても残業することがあったという。
「求人に記載されていた勤務時間は9~18時なのに、実際には8時半から早くて20時。遅いと日を跨ぐことも多々ありましたが残業代はゼロ。営業職にもかかわらず、歩合もなく手取りは約13万円。退社願を出すも『逃げられると思うなよ』と言われました」
どうにか辞められたもののこの会社がトラウマになり「あまりに恐怖な出来事が多すぎて就職するのが怖くなってしまいました」と綴る。女性の心に深い傷を残したブラック企業はとても罪深いと言える。
「1週間で退職した管理職もいる。ここまでひどいパワハラは初めて」
60代の男性は、20年以上前に就職した運送会社での壮絶なパワハラについて綴る。どれほど壮絶かというと「40代以上の管理職が2~6か月くらいで辞めていく」という。
「40代の総務課長が社長にいじめられて泣いているのを目撃した。1週間で退職した管理職もいる。私が勤務したのは2年間だが、その間退職した社員は知っているだけで20人近く」
当時を振り返り、男性は「仕事上、いろいろな企業で業務をしてきたが、ここまでパワハラがひどい経営者は初めてだった」という。この会社は地元でも有名なブラック企業で、退職後に某ネット掲示板でも多くの書き込みがあったことを知ったという。
それでも、現在もその会社は存続している。新たな被害者が出ているかもしれない。こうしたブラック企業で壮絶なパワハラを受けた経験は、その後の社員の人生に影響を及ぼす。悪質極まりない企業は早く淘汰されてほしいものだ。
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