溝上氏は、企業の役職には定員が決まっていることから、「その役職につけない人達には出ていってもらって、若い人を採用して新陳代謝を促したい狙いがある」と指摘。50代の社員が多く、若手社員が少ないという人員構成を是正したいという目的が企業にはあるという。
続けて、「リストラと言っても『辞めてください』と伝えるのは法律違反なので、『今だとこれだけ退職金を出せますよ』『外に出て起業しても良いのでは?』って促している」という。
業績不調だとリストラさられるイメージがあるが、業績好調だからこそ多めの退職金を払うことができる。むしろ好調のうちに退職を促すケースもあるようだ。
一方、一般社団法人リディラバ代表の安部敏樹氏は「結局優秀な人から辞めていきます。むしろ外に行くのが不安な人ほど残ろうとする。そうなってくると会社って不安な人の集まりになる」と希望退職を募ることへの疑問を口にする。
企業が真っ先に首を切りたい人材は、給与は高いけど生産性の低い社員。しかしそういった人物ほど会社にしがみつくため、現在のリストラ策は適切な戦略とは言えなさそうだ。
“給与は高いけど仕事ができない中高年の社員”の目撃談も
ネット上では、「正社員が安心なんて幻だよね。日本の大企業だってポコポコ倒産してるのに」と”正社員=安定”という考えを改める必要性を漏らす人がいた。企業はあの手この手で人員整理を実施している。終身雇用が崩壊した昨今、正社員であっても研鑽を積み続けることが求められる時代はすでに到来している。
「上場企業でまともに仕事せず、高い給与を得ている人が若手の給与上昇を阻んでいると思う」「役職はついているが仕事出来ない人が多い印象。企業にとっては真っ先に整理したい人材だと思う」など、給与は高いけど仕事ができない中高年の社員の目撃談も散見された。
一方、「中高年正社員の給料が高いのではなく非正規等の給料が低すぎる」といった声も。各従業員の働きに応じた適切な給与が支払われるにはどうすれば良いのか、今後もこの課題は突き詰めていかなければいけない。