なぜ職場は人手不足に陥るのか。これは全国の会社が抱える問題と言っても過言ではない。企業口コミサイト「キャリコネ」には、
「人手不足なのに企業拡大を目指しているため、現場で働く個々の負担が大きい」(ブライダルコーディネーター/20代前半/女性/正社員/年収270万円)
といった声が寄せられている。さらのこの職場では、「人手不足により、基本的に2~3年で退職する人がかなり多い。そのため3年目~4年目で役職(副主任)がつきます」という。
肩書がほしい人には、石の上にも三年と言いたいところだが、労力面での多大なリスクは否めない。それを示すかのように、
「リストラで人員不足になり、部門によっては21時ごろまで残業している」(法務/50代前半/男性/正社員/年収800万円)
「部署にもよりますが人員不足が常態化しているため、残業時間が月45時間以上になることが多いです」(法人営業/30代前半/男性/正社員/年収480万円)
と労働量のしわ寄せを綴る投稿は多かった。それ以外の口コミも見てみよう。(文:鹿賀大資)
「少ないベテラン社員が定年でいなくなる時のことを想像すると、将来は明るくない」
「入社時には『豊富な教育研修制度が整っており、未経験者にも優しい環境だ』と言われた。しかし実際は人手不足の中小企業なので、なかなか教育体制は整わずにいる。能力の伴わない人を店長にしている例もしばしば」(臨床開発職/30代前半/男性/正社員/年収350万円)
「人手不足が加速する中、バンバンと新店を立てる。教育はなおざり、粗だらけ。将来を危惧している社員も多い」(店長/20代前半/男性/正社員/年収300万円)
「慢性的な人手不足の状況。少ないベテラン社員が定年でいなくなる時のことを想像すると、将来は明るくない」(技術関連職/20代後半/男性/正社員/年収300万円)
労働量のしわ寄せは、社内教育にも影響があると指摘する声も目立った。いわゆる負のスパイラルの1つで、若手が育たなければ将来性も期待できない。また多店舗展開は企業を存続する上では欠かせない戦略だが、人手不足の状況であれば不安要因にしかならないようだ。
人手不足を危機と捉えず、傍観する節の会社も
「同業他社は人員不足を背景に待遇改善に動いているが、うちの会社は後手に回っている」(物流サービス/40代前半/男性/正社員/年収550万円)
「人手不足で離職率が高いのにも関わらず、会社は根本的な対策をせず、現場に放任している感がある」(その他/30代前半/男性/正社員/年収350万円)
人手不足を危機と捉えず、傍観する会社に勤めているという声もあった。前述の口コミにあった個々に負担がかかるという事例を踏まえれば、ただ黙って様子を見ていても状況は悪化する一方だ。会社として早急な対策を示す必要がある。
まずは退職にいたった原因から傾向を分析し、一つでも形にしようとする働きかけが、人手不足解消の第一歩といえるだろう。【参照元:キャリコネ】