毎日出社し現場取材をしていた身としては、当初在宅で仕事なんてできるのだろうかと不安だった。が、今は「意外とできるんだな」というのが実感だ。
大きいのはコミュニケーションツールが発達だ。「Skype」「Zoom」などのビデオ通話、「Slack」や「Chatwork」といったチャットツールなど、離れていても密に連絡が取れる環境が整っている。
これらは筆者のクライアントが実際に活用しているもので、執筆・取材依頼や打ち合わせ、普段のやりとりはこれらのツールで行っている。クライアントも東京や地方などさまざまな場所にあるが、特に不便は感じない。会社との距離は関係なくなった。
記者時代からは考えられないが、時代のおかげで「場所を選ばずに仕事ができる」ということを実感している。
在宅ワークは納期を守り成果が出せれば、音楽を聴きながら仕事しようが自由だ。一方、すべて自分で律していかなければいけない。筆者は普段仕事をするときに次の3つのことに気をつけている。
まずはオンオフを意識してタイムスケジュールを組んでみよう
1.余裕を持ったスケジュールを組む
複数のクライアントから原稿執筆を請け負っているため、まずは各原稿の締め切りや納期を把握し、やるべき事を2週間単位で決める。
レギュラーの締切日と、単発依頼の取材日や締切日を合わせ、「◯日までにはA社の原稿を仕上げる」「この日は1日◯本提出する」というように組み立てている。毎日の行動が決まっていない分、先々の予定を見てやるべき事を決めている。
もちろんこうしたスケジュールの組み方は、他業種にそのまま当てはまらない。業種によっては業務内容や量が決まっているだろうし、部署やチーム間で動いているプロジェクトもあるだろう。
これまで出勤していて在宅に切り替わった方は、部署やチーム間で納期や業務内容を改めて確認する必要がある。自宅にいながらもチームの一員であることを意識し、余裕を持ったスケジュールを組もう。
2.出勤と同じように着替える
正直に言うと、在宅ライターになった当初は子どもが0歳だったこともあり、取材やビデオ打ち合わせがある時以外は1日中パジャマのまま、メイクもせずパソコンに向かっていた。
これは精神的にも肉体的にも良くなかった。外の空気を感じることもなく、煮詰まってしまい、引き篭もり状態で体重も増加してしまったのだ。
これまで出勤していた人は、出社と同じ習慣・スタイルを自宅でも続けるとやりやすいかもしれない。出勤の時間に合わせて起床し、着替える。就業時刻も会社の時間帯に合わせれば、自宅でも出社時と同じ動きができるだろう。
3.時間を区切り休憩を取る
在宅ワークで一番重要だと感じるのが「時間の管理」だ。出勤する時以上にオンオフを強く意識した方がいい。食事や休憩、たまに外出するなど、作業以外の時間を意識することで頭が切り替わる。
そのためにはメリハリが必要だ。筆者が参考にしたのはイタリア出身のコンサルタントが考案した「ポモドーロ・テクニック」という時間管理術。トマト(ポモドーロ)型のキッチンタイマーで25分はかり、その間は作業に没頭。タイマーが鳴ったら5分休憩する。これを4回繰り返して長い休憩をとるというものだ。
筆者には25分が短く感じてこの通りにはできなかったが、「時間を決めて強制的に休憩をはさむ」という方法は、オンオフの切り替えになり執筆に集中できた。現在は50分?1時間作業して休憩している。在宅ワークは座ったままになりがちなので、休憩の合間にストレッチなどで固まった体を動かすのもオススメだ。
突然の在宅ワークに戸惑っている方も、まずはオンオフを意識してタイムスケジュールを組んでみよう。最初はスケジュール通りにできなくても、自分なりのルールや習慣ができてくるはずだ。