ブラック企業で起こる非常識な実態に辟易する人は多い。医療・介護職の20代男性は「自分を引き抜いてくれた主任が退職した途端に給料はマイナス7万円」という。それにとどまらず、
「夜勤した記録を消され夜勤手当もゼロ。昇給は年500円だが、社宅の家賃が900円に値上がったのでマイナス400円になった。国家資格の保有者なのに手取り13万円。これではアルバイトの方がマシだった」
と嘆く。このほかにキャリコネニュース読者から、
「毎日4時間のサービス残業が当たり前。オフィスに携帯持ち込み禁止。祝日も出勤。休みは月8日と規約には書いてあるが、実際に休めるのは月4日。休日にどうでもいい社長の朝礼で急な呼び出しあり。めちゃくちゃ低い月給。ボーナスもなし」(40代女性)
「在職2年間で勤務時間の変更が5回。しかも同意を取らずに。賞与も勝手に大幅に下げられ、手当も削られ年収は低下。交通費だけが入職時と同じ条件、それ以外は変えられたので退職」(30代女性、医療・介護職)
といった経験談が寄せられている。今回は、かつて配管関連の現場監督をしていた、40代男性のエピソードを紹介する。(文:鹿賀大資)
「会社関係の挨拶回りで常に社長の運転手をさせられていました」
男性は入社して半年間、社長の小間使いだったという。
「お盆や年末年始が近づくと、会社関係の挨拶回りで常に社長の運転手をさせられていました。そのため現場に出られず、頻繁にクレームの電話を受けていました」
社長はそうした取引先との付き合いが多く、自宅には御歳暮類のギフトが溢れていたという。
「独り暮らしのため、賞味期限の切れたインスタントコーヒーや缶詰などが大量にありました。それなのに私にお裾分けするといったことは、絶対にありませんでした」
お歳暮は、賞味期限の切れたインスタントコーヒーなど“あまり”のみ事務所に置かれていた。期限から2~3年も経っており、味や風味が失われた苦味だけのコーヒーだった。男性は「それを飲む来客が気の毒でした」という。
親を病院につれていくため有休申請すると「そういうことはお前以外の身内にさせろ」
社長が入院したときは「入院の準備から入院中の世話までもさせられました」という。社長の息子は近くに住んでいるにも関わらず、「それなのに従業員にさせるのはどうかと思いました」と綴る。
「そのくせ私には親の面倒を見させてくれません。母親に用事があり、体が不自由な父親を病院へ連れていかざるを得なく、休みを申請したら『そういうことはお前以外の身内にさせろ』と言われました」
しかも会社は健康診断も実施しない。男性は嫌気が差し退職を決意。そこから半年間、社長に反抗的な態度をとるようになった。辞職届を出しても素直に受け取ってもらえないと思ったのだろう。それが奏功したのか、退職間際には社長の方から『いつ辞めるんだ』と持ち出され、すんなり身を引くことができたという。
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