営業職の50代女性の勤め先は、世間に名の知られた保険会社だ。採用には特に力を入れており、その理由については採用者に関わる家族などからの契約を見込んでいるためだという。
「採用者の配偶者や親、子どものほか、友人に知人まで、もうすべてです。実際に入社後は、契約が取れなければ、そうした家族や友人に頼まざるを得ません。でないと自爆営業する羽目になりますから。上司もそれを促します」
女性は結局、自社の保険を契約することになったという。「給料には歩合や資格手当などがつくものの、そこから保険料を引かれるから、どうしても手取りは少なくなります。もう保険料のために働いている感じです」と書いている。
「契約者が2年以内に解約すれば、契約報酬は会社に返還」
また、保険の契約がとれた場合についても綴る。
「契約者が2年以内に解約すれば、その間に支払われた契約報酬を会社に返さなければなりません。契約者の遺族には保険金が支払われるので当然、感謝されます。しかも会社としては早期に保険金を支払うことになるので、儲けはありません」
こうしたことから、職場では退職者も増えているという。
「一応、コンプライアンスは徹底しているけど、それはあくまでも表向きです。それこそ、いつ亡くなるかは誰にもわからないのに、とても矛盾したルールの上で働いています」
必死に契約を取ったとしても、実質的には2年間保証なしの状態と変わらない。保険会社でありながら、従業員への保険はないようだ。
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