勤務先が倒産したり、閉店したことのある人は少ないだろう。だが、キャリコネニュース読者からは
「社長の思い付きで書店の立ち上げに携わり、開店準備まで15連勤、開店直前は店舗に泊まり込みなどで体調を崩した。現在その書店は潰れて存在しない」(40代男性/販売・サービス職)
という経験を語る人もいる。今回は、勤務先の倒産・閉店エピソードを紹介する。(文:林加奈)
兄の結婚式のため休日申請、社長からは”特別に許可する”
技術職の40代男性が勤務していた会社は、典型的なブラック企業だった。
「基本土日出勤、日曜出勤もしばしば。給料が少なく、手取り17.5万円。前日から午前6時まで仕事を続けていったん自宅に戻り、スーツに着替えて名古屋から東京に出張するのが1か月間毎週続いた時はつらかった。『日曜日に行われる兄の結婚式に出席するので休みたい』と申し出たとき、社長から『特別に許可する』と言われた」
と振り返る。親族の結婚式に参列するのに”社長の許可”が必要なのは、理解に苦しむ。男性はこの会社で精神的に消耗していき、会社の経営も次第に傾いていった。
「やめる前の数か月分は給料が払われず、会社がダメになって存続できなくなったとき、本気でホッとした」
深夜3時までサビ残→出勤30分遅れたら給料減額
営業職の50代男性の職場では、深夜3時までサービス残業することが常態化していた。にも関わらず、出勤時間が30分遅れたら給料減額されたという。男性は「ある日突然給料が半分になった」ことから退職を決断。結局、その半年後に会社が潰れた。
また、30代男性は、学生時代に個人経営の韓国料理屋でアルバイトしていた時の経験を振り返る。
「タイムカードが2枚用意されていて、1枚は知らない人の名前。社保や税金の関係で、たくさん働いてほしいがすべて1枚でおさめると都合が悪いから、と身内の名義を使っていたらしい。給料は働いた分もらえたし、店も繁盛していたようだが、ある日突然潰れた。親戚がお金を持ち逃げしてまわらなくなったらしい」
タイムカードを2枚用意するなどして法の網を逃れていたようだが、最終的に身内に裏切られる形で店を閉めることになったようだ。
現在、緊急事態宣言発令による自粛が続き、倒産する会社が出てきている。しかし、ブラック企業の場合は新型コロナウイルスに関係なく、倒産するのにはそれなりの理由があるのかもしれない。
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