トピック内の書き込みは、「いまさらです。わかりきったこと」などを始め、学歴はあるほうがいいに決まっているという声が相次いだ。
「それわかってるからみんな大学いくんだよ」
「脳内ハードディスクに入ってる知識量を評価されているわけですから」
「大卒の方が仕事選べるよね。高卒って時点で応募資格ないところ多いし」
また、「大手に新卒で入社したけど総合職に高卒っていなかった。そして部長クラスは有名大卒ばかり。最初がそれだったので社会ってそんなもんだと思ってる」と、経験上の実感を冷静に語る人も。
他社に恥ずかしくない学歴や、高学歴の人脈は会社にとって大切という意見や、「今の時代はどんなFラン大学でも”大学出ていて当たり前”の風潮がある」と考える高卒のシングルマザーもいた。やはり自身の経験から、学歴は必要と考える人は多いようだ。
「大卒なのに仕事ができない」「私のほうが仕事できる」とも限らない
なかには、「仕事出来ない大卒って多いよね」という意見もあり、
「本社の偉いさんが仕事のできない大卒なんでしょ」
「高卒パートリーダーの人の方が臨機応変で、どっちが店長なんだよって思うときあるわ」
といった皮肉も散見された。筆者も会社員のころ、大卒でもコミュ障で仕事ができず社内で持て余しぎみにされていた人や、高卒でもバリバリ管理責任者として活躍していた人が職場にいたことを思い出す。必ずしも「大卒=実務能力がある」とは限らない事例は、働く人なら誰でも思い浮かぶだろう。
一方で、その高卒女性は本当に仕事ができるの?という指摘も多かった。
「仕事ができないって主観だよね。自分仕事できるって勘違いかも」
「うちの職場の話かな、と思ったよ。自分は仕事できるって自負してる高卒のバイトがいるけど、現実はそうでもない」
など、本当に学歴が決め手だったのかは、職場の人以外は分からないという意見が多数出ていた。確かに、仕事の評価は自己評価だけでは決められない。現場で働きぶりを見ていない本社からすれば、多数の候補者を確実性が高い学歴で判断するのは仕方ないと見る人も多かった。
「Fランだろうと大学を出ていればOK」というほど甘くはないが
新卒採用では、ネットでエントリーシートが出せるようになってから、学歴フィルターがより厳しくなったと指摘する就活指南本もある。人気の優良企業ほど、膨大な数の応募者から優秀な人材を選ばなくてはならないのだから、まず学歴でふるいにかけるのはやむを得ないだろう。大学進学率の高まりも相まって、実際には「Fランだろうと大学を出ていればOK」というほど甘くはない。
とはいえ、高卒・中卒で待遇差に苦しむ人にとって、理不尽を感じる場面は多いはず。筆者はかつて、仕事で各学校に送る求人票の募集要項を記入していたことがあるが、高卒、専門学校、大学によってはっきり初任給の額が違うことを実感した。同じ会社で同じ仕事をしても、学歴で差がつくのはつらい。
日本も今後は実力社会で、「学歴には意味がない」という人もいるが、一般的には学歴主義の構造はまだまだ根強い。学歴がどうあれ、実力がある人を正社員にしたほうが会社のためではあるが、世の中そういうことだけで回っていないと実感させられる。