コロナ禍において、企業は時短勤務やテレワークなどのさまざまな対応を迫られた。しかし、会社の対応策に不満を募らせている人は少なくない。
販売の仕事をする40代の女性は、会社から何のサポートがない状態で自粛期間中を乗り切ったが、当時の様子をこう語る。
「時給が上がるでもなく、臨時ボーナスが出るでもなく、人員補給もされずただ忙しく、客から暴言を吐かれ、心が折れた。会社からはコロナにはカテキンがいいからとペットボトルのお茶が1本配布されただけこんなお店では働けないです」
コロナウイルスにカテキンが有効という情報は、エビデンスがない不確かな情報だ。そうした噂レベルの話を真に受けて従業員にお茶の支給を始める会社に対し、不信感を持つのは当然だろう。(文:林加奈)
休業要請が出ても「こんな時こそ頑張る!」精神を掲げる上司に落胆
高知県の弁当屋で働く40代の女性も、会社の対応に不信感でいっぱいだ。
「5月になるかならないかくらいの頃に、やっと仕切りシートがレジ前につき、手渡しではなくトレーでやり取りするように指示があり、マスクの着用が義務付けられた。そもそも店内で作ったお弁当を、その店舗で売っているのだからコロナでなくてもマスクは当たり前なのでは?とも思うが」
県から休業要請が出ていた時も、時短も休業をする気配すらなく、上司は「こんな時こそ頑張る!」の精神だったようで、女性としては「こんな時こそ頑張るというならば、休業や時短に踏み切る頑張りを見せてほしかった」と落胆する。そして、
「何か月も前から柔軟に対応してきた会社がうらやましい。そういうところで働いている人は辞めずに頑張ってほしい。うちのように、対応が遅い会社で働く羽目になったら毎日つらいから」
とも語っている。
コロナ対策は「マスク・手洗い・消毒」だけ 社員を大切にする経営理念は嘘!
都内在住の20代女性は、新卒で入社した会社の対応に不信感を募らせていた。
「総務などのデスクワーク中心の部署までもが全員出勤。時短や時間をずらしての出勤対策もなし。かつ、ひとつの部屋に80人ほどが集まって毎朝朝礼。新入社員はかなり狭い部屋に15人前後が詰められて研修を行っていました」
マスクは緊急事態宣言の中頃、消毒液は緊急事態宣言終了後に配布されるなど、後手後手の対応だったという。この対応について意見した社員も多くいたが、ワンマン経営の社長がすべてを却下して経営を続けたという。女性は
「結論、コロナの対策はマスク、手洗い、消毒の自己防衛のみで、社員を大切にするという経営理念は嘘であり、今後何かあった時もこのような対応をされ会社に犠牲になるのかと感じ、退職を決めました」
と退職を決意している。
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