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SNSでの就活相談に”マウントをとってくる社会人” 「俺は学生時代にこんなことしたけど、君のガクチカはどう?」

被害に遭った学生の声をまとめると、99%は「マウントをとる社会人」が原因になっています。例えば、「今の就活の軸だとどの企業にも落とされる」「そんなこと自分で考えろ」と、ただ言われるだけ。さらには、

「俺は学生時代こんなことをしていたけど、それと自分のガクチカ(学生の頃に力を入れたこと)を比べてどう思う?」(君のはしょぼいよね)
「今の模擬面接を振り返ってみて、どの企業が採用したいと思う?」(どこも採用してくれないよ)

など、”ちゃんとフィードバックしてあげてる”風で、自分はすごいアピールをしたり、学生自身を批判しているだけだったり。客観的に見ると「そんなことを言う人の意見なんて無視すればいい」と誰もが思うような発言ばかりです。

しかし、就活で不安を抱えている学生は、”社会人”に言われたことを真に受けてしまい、心に深く突き刺さってしまうのです。

就活生から、とあるSNSで就活相談をして被害に遭ったケースを連続で聞き、「どの人に言われたの?」と聞いたことがあります。すると、3人とも同じ社会人から被害に遭っているということがありました。社会人としていかがなものかと憤りを感じます。

マウントをとってくる社会人に出会ったら、即座に離れてください。コロナ禍だとオンラインでのやり取りが基本になるかと思いますので、マウントを取られる気配を感じたら、アカウントをブロック。個人的には面談もすぐに中断して即ブロックしてしまってもいかと思います。

善意のアドバイスが就活生を歪めてしまうことも

マウントを取る社会人は非常に害悪な存在ですが、個人的には「明らかに関わらない方が良い」と分かるという点で、まだマシだと思っています。

何と比べてかというと、「善意のアドバイスで就活生を歪めてる社会人」とです。善意でしたアドバイスを学生が受け入れたゆえに「その学生さんのらしさ・良さ」が消えてしまうことがあります。具体的には、

「社会への貢献意欲を就活の軸に入れた方が良い」
「ガクチカはリーダーシップを発揮したエピソードの方が良い」
「(志望動機は)理念への共感を話すよりも、具体的な仕事内容と直結している方が良い」「何かを途中で辞めた話はしない方が良い」

といったもの。この内容には「内定獲得だけを目的としたアドバイスであること」と「その人の個人的な価値観に偏ったアドバイスであること」といった特徴があります。

「個人的な価値観に偏ったアドバイス」とは、「こうすると評価をしてもらえるよ」という類のものなのですが、それはどの企業を想定して言っているのでしょうか。ほぼ全ての場合、その人が知っている(主に、所属している)企業での良し悪しの判断です。その判断が自分の受けている企業に当てはまるかと言われると、そうは言えません。

仮に、就活生は相談相手が所属している企業を受けていて、判断が妥当だったとします。しかし、就活生が企業に寄せることで逆にミスマッチになったり、深堀りをされた際に寄せていること(=嘘をついている)ことがバレたりするリスクもあります。決して有益なアドバイスとは言えないでしょう。

こういったアドバイスを聞き入れ過ぎてしまうと、「本来の自分」を見失ってしまう可能性もあります。認識している自分がどんどん歪んでしまうと、本当の自分を見失う恐れもあります。

「ESや面接などを通じて自分らしさ、良さが伝わっているか」を確認する場に

デメリットばかり挙げてきましたが、SNS上の社会人に相談をするメリットはあります。「自分のことを知らない人事が、ESや面接を見た際にどのような人間だと思うのか」ということを事前に確認できるという点です。

そのためには、相談をする際、

「ESや面接を通じて◯◯という自分の良さを伝えたいと思っているのですが、それが伝わっているかどうかを教えて欲しい」
「ESや面接を通じて、どのような人間だと思ったのかを教えて欲しい」

と依頼してみてください。その理由も聞くことで、改善点も見えてくるかと思います。こういった依頼をすると、さすがにマウントはとってこないと思います。

SNSで就活相談をする際に念頭に置くことは、「どうすれば企業から内定をもらえるか」ではなく、「どうすれば”自分に合った”企業から内定をもらえるか、合っていない企業に落としてもらえるか」です。

自分らしさが伝わった上で採用されなかったなら「その企業には合っていなかった」、内定をもらえたなら「合っている」と言えますから。もちろん、100%とは言えませんが。

とはいえ、漠然とした悩みを抱えている、自己分析が上手く出来ておらず「自分の良さが分からない」という人もいるかと思います。その場合は、SNSではなく、信頼出来る先輩や社会人の知り合い、キャリアアドバイザーに相談することをオススメします。もちろん信頼できるだけの実績・評判のある人ならSNSで相談をするのもいいかと思います。

著者近影

著者近影

【プロフィール】関西学院大学商学部卒。在学中に創業期のキャリア教育系スタートアップ(株)STORYに参画。採用責任者として、約400人の面接・約50人の採用に携わる。その後、ベンチャー複数社にて新卒採用、EdTech・人材サービスの立ち上げを経験。2020年9月より(株)STORY CAREERにてキャリアアドバイザーとして活動。

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