福岡で暮らしながら東京のプライム案件に関われる ベトナム資本のFPTジャパングループで働くメリット
ベトナム資本のFPTジャパングループが、福岡市博多区の拠点でITエンジニア人材を募集している。強力なオフショア開発体制を背景に、日本国内のニアショア拠点と組み合わせた「ベストショア」で事業の成長を目指しているのだ。
九州出身のエンジニアにとって、地元に帰って働く機会となるだけでなく、より大きな案件やスキルアップにつながる仕事に携わるチャンスが得られる可能性がある。ベストショア戦略を推進するFPT沖縄R&Dのハイ社長と、福岡開発センターでリーダーとして働くベトナム人社員に話を聞いた。
2万人超の開発リソースを持つ強み活かす(ハイ社長)
まず、FPTジャパングループのニアショア拠点であるFPT沖縄R&D株式会社で代表取締役社長を務めるルン・ホン・ハイ(Luong Hong Hai)氏に、福岡と沖縄を軸に展開する「ベストショア」を掲げるグループの戦略方針について聞いた。
――親会社のFPTソフトウェアは、日本でいえばNTTに匹敵するベトナム最大のIT企業グループの中核企業と聞いていますが。
ハイ その通りです。日本では2005年から事業を行っていますが、大手企業の下請けでのオフショア開発が中心で、黒子の存在だったせいか広く名前が知られておらず、一般的な知名度アップが現在の課題となっています。
グループの強みは、なんといっても強大な開発力です。ベトナムのオフショア含め1社で約2万5千人の開発リソースを確保できるため、高いコストパフォーマンスと「チャイナプラス1」の選択肢として、最近は非常に引き合いが増えています。
――最近FPTジャパングループが掲げている「ベストショア」という開発体制は、従来のオフショアとはどう違うのですか。
ハイ 最も異なるのは、開発の対応フェーズの範囲です。これまでの一般的なオフショアは、下流工程の一部のみを担当し、仕様通りに開発するエンジニアを調達するのが役割でした。クライアントとの間に立つブリッジエンジニアも、すでにできあがった仕様を前提に海外エンジニアを束ねる役割にとどまっていました。
FPTジャパングループのベストショアでは、上流工程から納品までEnd to Endの幅広い工程に対応することが可能になります。日本国内の地方拠点に開発力を持つニアショアの開発部隊を置き、必要に応じて海外のオフショア部隊との連携を採るためです。ニアショアとオフショアの最も強いメリットを組み合わせることから、FPTではこれを「ベストショア」と呼んでいます。
リモートワークで「地方人材」の採用の幅も広がった
――ベストショアは、クライアントにとってどういうメリットがあるのですか。
ハイ 上流を含めた幅広い工程を、FPTジャパングループに一括でお任せいただけます。ブリッジエンジニアに代わり開発力を持った国内のニアショア拠点が関与することで、ソースコードや業務仕様を含めた深いレベルでのコミュニケーションを直に取ることができ、より精度の高い成果物が担保される体制になります。
下流工程の開発部分では、ベトナムのオフショア拠点の開発力を活用することができるため、スピードやコストパフォーマンスに優れた開発を行うことができます。プロジェクト体制の構成としては、例えばニアショア10人に、オフショアで100人から180人つくといった形です。
――東京本社ではなく、地方拠点のニアショアと連携するのはなぜですか。
ハイ 現在、日本国内のニアショア拠点として福岡と沖縄を軸に展開していますが、東京と比べるとオフィス賃料が大きく下がります。また、コロナ禍を通じてリモートでも十分仕事ができることが証明されました。地方拠点での採用によって「地方で働きたい」と希望する人材採用の幅を広げることができるのも大きなメリットです。
――ベストショアは、FPTならではの強みを活かす体制になりますね。
ハイ オフショアとの連携により、人数やコストの競争力だけでなく、技術対応の幅も広がります。クライアントからの開発相談の中には、メインフレームのモダナイゼーションなどのレガシーテクノロジーとともに、AIやスマートフォン、クラウドネイティブなどの最新技術に関するオーダーも寄せられています。
そうしたときに、開発エンジニアの数だけでなく開発経験としても日本国内だけでは難しいという話も出てきます。FPTグループは欧米にも拠点を置いてグローバルに事業を展開していますので、世界の最新事例を紹介しながら実現できるエンジニアを調達することが可能です。
日本人エンジニアにとっても、外国人と協働してシステム開発を行う経験は貴重なものになると思います。なお、日本の事業所で働く社員の約4割はベトナム人ですが、みな日本語でコミュニケーションできますので、英語に自信のない人でも安心して働けますよ。
東京で働いて「福岡に戻りたい」と思うようになった(ズン)
FPTジャパングループのニアショア事業は2017年以来、FPT沖縄R&D(那覇市)を中心に展開してきた。今後はオフショアと連携した「ベストショア」を強化していくが、その拠点として沖縄とともに選ばれたのが、福岡市博多区にオフィスを構える福岡開発センターだ。日本人エンジニアと、日本語を話せるベトナム人が共同して仕事をしている。ベトナム人エンジニアのズンさんに話を聞いた。
――どのような経緯で、FPTの福岡事業所で働き始めたのですか?
ズン ベトナムの大学を卒業して現地のシステム開発会社で1年ほど働き、2017年に日本に初めて来ました。東京に本社のある会社でしたが、福岡の支社に赴任となり、2年ほどオフショアのブリッジエンジニアとして働きました。
その後、東京の会社に転職してリーダーとして働いていましたが、日本で最初に住んだ福岡のよさが忘れられず、友達もたくさんいる福岡に戻りたいと思うようになりました。
そこで転職先を探すと、ベトナム資本のFPTジャパングループが福岡に事務所を構えていると知りました。私はベトナム出身ですのでFPTがどれだけ大きな優良企業か知っていましたが、正直にいうと最初はあまり興味が湧きませんでした。FPTは大企業なので、経営は安定しているけれども自由な企業風土がないのでは、と思っていたからです。
でも、実際に面接を受け、マネージャーからFPTジャパングループにおけるミッションやチャンス、アドバイスなどを提示されると、そのようなイメージとはまったく異なっていて驚きました。そしてすぐに入社に同意して雇用契約を結びました。
受注案件の規模が大きく案件数が豊富。チャンスも多い
――FPTは、以前勤めていた会社とどこが一番違いますか。
ズン 前に勤めていた福岡の会社は大手の下請けでしたので、開発案件の中でも下流工程の一部しか携わることができませんでした。FPTジャパングループが受注する案件は規模が大きいし案件数も豊富なので、上流工程の要件定義から開発の設計、開発におけるオフショアのコントロール、納品の品質チェックなどにも関わることができています。
また、ベトナムの大企業が母体にありますので、仕事の進め方のレベルがとても高いです。案件ごとにアジャイルやスクラム、ウォーターフォールなど最適な開発プロセスを選択しますが、FPTのプロセスマネジメントは大変優れていて、成果物の品質も高く、納品後にお客様のところで不具合が見つかることも少ないです。
私が属するチームのマネージャーは「やる気さえあればチャンスはいくらでもある」と言っています。未経験の仕事もありましたが、挑戦させてもらうことができ、それによってスキルアップを図ることができることは、エンジニアとしてとてもうれしくやりがいがあります。
――職場の雰囲気はどうですか。
ズン 福岡の拠点は社員の平均年齢が28~29歳で若くエネルギッシュで、職場の雰囲気は明るく、社員はみんな親切で楽しいですね。沖縄は社員が180人くらいいますが、福岡はまだ50人くらいで、これからどんどん増やしていきたいと思います。
――いま新たな人材を積極的に採用しているところとお聞きしますが、どのような人物であればFPTで活躍できそうですか。
ズン スキル面では、特に上流工程の経験があり、お客様と社内の両方とコミュニケーションが取れるエンジニアやプロジェクトマネージャーを求めています。ただ、経験が浅いエンジニアでも、社内の研修体制がしっかりしているので、3~4か月の研修を受けてもらったうえで実際の仕事に関わってもらうこともできます。
人物面では、職場では日本人とベトナム人の混成チームで開発を行いますので、そのような環境で働くことが苦でない人や、ベトナム人のスタッフに日本でのやり方を上手に教えてくれる人、異文化コミュニケーションを楽しめる人を歓迎したいです。
日本語を上達させてプロマネやプリセールスを担当したい
――今後のご自身のキャリアについて、どう考えていますか。
ズン 会社が推進しているオフショアとニアショアを組み合わせた「ベストショア」の案件にも携わってみたいです。ベストショアとは、FPTジャパングループの福岡と沖縄の拠点で、日本のお客様とコミュニケーションを取りながら設計や開発を行ったり、オフショアの開発人材を有効に活用したりする手法です。
ベストショアに関わるためには、日本語や日本人のビジネスマナーを含めた「日本人とのコミュニケーション能力」を高めることが必要になります。ベトナム人である私の課題もそこにあると感じていますので、これからは仕事を通じてその点を磨いていきたいです。
また、いま私はリーダーとして働いていますが、2~3年後にはプロジェクトマネージャーとして働きたい、と考えています。さらに、日本語をもっと上達させて、いつかプリセールスも担当してみたいです。
株式会社FPTジャパンホールディングス
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