言葉の力で技術を守り、世の中に発明を送り出す──NECの知財担当の魅力 | キャリコネニュース
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言葉の力で技術を守り、世の中に発明を送り出す──NECの知財担当の魅力

文学少年だった西本 慎之介は、言葉を科学的に追求しようと文学部から理系大学院へ進学。自然言語処理の研究に没頭しました。ユニークな経歴は、論理的文章力と先端技術への理解力を育み、企業の技術を戦略的に管理・保護する知財担当への道を開きます。活躍の場としてNECを選んだ理由、仕事を通じてかなえたい夢とは。【talentbookで読む】

言葉への興味が切り開いた、知的財産を守る道

私は昔から、人が言葉に触れたときに、感動したり何かを感じたりすることに興味を抱いていました。たとえば本を読んでいると、文中にふと現れる言葉が自分の心に刺さる瞬間がある。人との会話では、その人との関係性や状況によって意味の受け取り方が異なってくるときがある。そうした関心が、進路を選ぶきっかけとなりました。大学では文学部を専攻した後、大学院は理系に進学。文学的な手法で言葉の研究をするだけでなく、人が使っている言語(自然言語)をコンピュータで処理・分析する自然言語処理について研究をしていました。

こうした言葉への興味は、アルバイトを選ぶ際の軸にもなりました。もともと大学時代から先輩の誘いで法律事務所のインターンをしていたのですが、法律を扱う際にも、文章力が重要なキーとなることにおもしろみを感じていたのです。大学院では、先端技術を扱うようになったこともあり、特許事務所でのインターンもはじめました。

特許とは、技術を言葉で説明して法律的な権利を取得することですが、同じ技術であっても、どういう言葉を使うかで権利の価値が大きく変動します。言葉の使い方によって技術の保護範囲を広げ、価値を高めることができる。このおもしろさに気づいたとき、企業の知財担当という仕事が、自分の興味や強みを生かす道なのではないかと考えました。

私が就職活動をはじめた当時のNECは、自然言語処理の分野でもとくに抜きんでた存在で、2011年に米国国立標準技術研究所(National Instituteof Standards and Technology:NIST)が主催した評価ワークショップ「TAC2011 RTE-7」では第1位の評価を獲得したほか、顔認証精度ランキングでも2019年に米国国立機関による顔認証の精度評価で第1位を獲得していました。知財担当として、優れた技術力のある会社で働くことはやりがいになるだろうと感じ、入社を決めました。

製品を世の中に送り出すために、一歩一歩着実に進む

入社してから、最初に学んだのは、特許出願に必要な書類(明細書作成)と、特許庁の審査結果に対する応答(中間処理)です。

明細書作成は、自社の技術者に技術内容をヒアリングして行います。 開発中の技術や新しいビジネスのアイデアについて、技術者の説明やデモに触れながら特許として出願すべきか否かを判断します。特許庁に対する応答は、出願した特許に対して「特許として認めらない」という特許庁の判断に反論することです。

担当する技術内容は、AI、人工衛星、映像通信方法など、NECの幅広い事業内容に対応するもので、入社当初は理解することが大変でした。また、明細書では、高度な技術内容の説明に加えて法律用語も用いるため、慣れるまでに時間がかかり、同じ日本語なのに別の言語を使っているような感覚がありました。

スキルや経験不足を補っていく上で助けとなったのは、先輩の存在でした。入社してから3年間はOJT期間とされていて、先輩が業務の支援をしてくれたり相談に乗ってくれたりします。私の担当の先輩は、とても明るい性格で、落ち込んだときには食事に連れて行ってもらい何度も励ましてもらいました。

また、研修制度も充実しており、たとえば、特許事務所の弁理士を講師に招いた講習会などもあります。数々の特許取得を支えたベテランの話を聞くことができるため、とても勉強になりました。ほかにも海外の特許事務所で一年間業務を行う研修制度などもあります。

自分が担当した技術がはじめて製品として発表されたときや、担当した特許出願がはじめて登録をされたときは、本当に嬉しかったですね。自分で育てた子どもが成人したかのような喜びを感じました。

最初に特許を申請してから登録になるまでの期間は、時間がかかるケースもあるため、成長の実感はじわりじわりとしたものでしたが、周囲の助けを得ながら、一歩一歩着実に前進をしてきたと感じています。

知財担当に欠かせないのは経験。チャレンジできる風土が後押ししてくれる

仕事に慣れてくると、大きなプロジェクトを任せてもらうことも多くなり、この仕事への想い、自分なりの考え方を深める機会となりました。とくに印象に残っているのは、ある研究者の特許申請をサポートしたときのことです。

その方は、NECの研究所でもトップレベルのAI研究者でした。AIは日進月歩の進化を遂げる分野です。次の学会発表を逃せば、タイミングを逸してしまう。

そのためには、学会の発表に間に合わせるだけでなく、同時に特許申請を済ませておく必要がありました。学会発表の準備に並行する形で、特許申請書類の準備をするという、一心同体の作業。懸命にサポートしたかいがあって、いずれも期限を守ることができました。「西本さんがいなかったら間に合いませんでした」と言われたときには、自分の仕事を全うできたのだという大きな喜びを感じました。

また2年目には、アメリカのシリコンバレーにAI関連の新会社(dotData社)を設立するために特許管理の支援を担当しました。新会社は、NECのAI関連事業の一部をカーブアウトして創られるため、どの特許を新会社へ譲渡し、どの特許を自社で保有し続けるかという選別から行うことになりました。

30件近くある特許を約2週間で評価するという状況で、1件の特許につき20?30ページほどの膨大な資料がありました。新会社の特性を把握した上で、重要な特許をランク付けして優先順位を決め、社内の合意を取り付けていったのは、忘れられない経験です。短期間ということで苦労も多かったですが、最先端のAI技術を事業化するNECという環境ならではのこと。当社における知財業務のダイナミックな一面を味わうことができました。

知財業務は、基本的に経験がものを言う世界です。そのため、チャレンジングな仕事ほど経験豊富なベテランメンバーに任されるという風潮があります。しかし、NECでは若手のうちから「やりたい」と声を挙げれば、どんどん任せてもらうことができるのです。後押ししてくれる風土があるからこそ、早いうちに重要な経験を積むことができていると実感しています。

知財の知見を生かし発明者を世に送り出す

扱う技術の幅広さとレベルの高さに惹かれてNECに入社をしました。働く中で、そのやりがいを実感しています。

近年では、従来からあった社内の慣習を見直したり、ベンチャー企業を設立したりと、新しい挑戦も目立ってきました。2020年には高度な IT、ネットワーク、およびデータソリューションの提供に注力し、AI関連の特許で世界第5位にランクインされたことがスタンフォードビジネススクールの教材で紹介されています。こうした前向きな変化の中で、技術や事業の幅はさらに広がっていくでしょう。当然、知財担当の業務もレベルアップしていかなくてはなりません。

すでにアメリカやインド、ヨーロッパでも事業を展開している研究所がありますが、私自身も、グローバルな視点で知財を管理できる人財になっていきたいと思っています。その根幹にあるのは、技術者に貢献したいという想いです。

優れた技術者であっても、知財や特許に関する知識を持ち合わせているとは限りません。社会に貢献する製品を生み出すことが得意でも、送り出すことは不得意な人がたくさんいるんです。そういった人たちを、知財・特許面で支えることはもちろん、少しでも知識を身につけることができるように支援をすれば、発想や技術展開の幅を広げられるかもしれないのです。知財分野の知識と経験を活かし、技術者を後押しすることで、社会に貢献する発明者を世の中に増やしていきたいです。

■知財部門からイベントのご案内
以下の新卒採用イベント(オンラインの説明会および交流会)を予定しております。
是非ご参加ください!

事業部門 説明会
3月4日(土) 9:00-12:00
下記リンク「事業部門_説明会の詳細を見る」よりご確認ください。

事業部門 交流会 
2月10日(金)13:30-16:00
2月13日(月)13:30-16:00
2月16日(木)13:30-16:00
3月 9日(木)13:30-16:00
下記リンク「24卒マイページを見る」よりご確認ください。

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