「好き」と「得意」と「新たな挑戦」──3つのかけ合わせで、可能性を切り開く | キャリコネニュース
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「好き」と「得意」と「新たな挑戦」──3つのかけ合わせで、可能性を切り開く

▲近所の公園で木登りする幼少期の南

中部国土保全コンサルタント技術部 国土技術一課に所属する南 優希。計測業務や基礎調査、グリーンベルト活動支援などに取り組むかたわらロゴ作成も手がけるなど、多方面で活躍しています。自然や生物、絵を描くことが好きだと言う南のルーツ、そして「“好き”を仕事にする」以上に彼女を突き動かすものに迫ります。【talentbookで読む】

自然に囲まれ、のびのびと育った幼少期。農学部からアジア航測へ

現在、計測業務やグリーンベルト(防災に強い森づくり)の活動支援に携わる南。彼女の幼少期は、自然と共にありました。

南 「休日は、両親や弟と一緒に近くの公園や森に出かけ、木登りや虫とりをして遊んでいました。住まいの近くには緑豊かな和歌山城もあって、動物園も併設されていたことからそこにもよく通っていました」

その後、南は中高一貫校に進学。中学3年生から高校卒業まで科学部に在籍し、課外活動にも積極的に取り組みました。

南 「科学部では室内で実験することも多かったですが、部員はひとり残らず生物好き。県内にある友ヶ島に出かけたり、タマムシを探したりなどよくしていました。ただ進学校だったので、部活ができるのは週1回程度。勉強が中心の生活でした」

やがて「自然や生物に関わる仕事に就きたい」と考えるようになった南。農学部に進学しました。

南 「農学部の中でも幅広い勉強ができる学科に入ったので、屋外で観察をしたり、樹種を覚えたり。いまの仕事につながっている分野でいえば、砂防系の講義で砂防施設を見学したこともありました」

農学部での勉強と並行して、大学で南が熱中したのがサークル活動でした。

南 「物心ついたころから絵を描くのが趣味だったんです。漫画を描いたことはありませんでしたが、絵が好きな人と交流できる環境に惹かれ、入学してすぐに漫画研究会に入りました。

毎年作品を制作して展示会に出すのですが、とくに印象に残っているのが、大学の文化祭に作品を出品し、一般来場者の方から良い評価をもらえたときのこと。それまではただ好きで描いていただけでしたが、自分の絵に自信を持てるようになりました」

勉強にもサークル活動にも打ち込んだ学生生活を送った南。大学4年生となり、研究室の教授とも関わりがあったアジア航測でのインターンを体験したことが入社の決め手になりました。

南 「インターンをする中で、上司と部下の関係性がフラットで、どんなことでも気軽に相談できる環境があると感じました。上の人と下の人とがあまり堅くなりすぎていない、打ち解けた印象がありました。こういった環境なら、すぐに上司や先輩に不安なことを相談できる環境なのではと思いました。

自分はなんでも楽しめる性格なので、仕事内容に強いこだわりがない一方、職場の雰囲気や人間関係をとても重視していたんです。働く人や職場の雰囲気から安心感を覚え、入社を決めました」

コンサルタントとしての成長の足跡。念願だったグリーンベルトの活動支援へ

▲中学校の樹林整備活動前に、道具の使い方や注意事項を説明する様子

2021年に入社し、中部国土保全コンサルタント技術部 国土技術一課に所属している南。現在は、国土交通省発注の業務を主に担当しています。

南 「航空機から地上に向けてレーザーを発射し、地形を把握するような計測業務が主体です。基本的には年度初めに発注があり、年度末に納品というスケジュールで動いています。

お客様や他部署との調整、現地調査、シミュレーション・解析や資料作成など、仕事の内容はさまざま。また、基礎調査といって、土砂災害警戒区域などを設定したり、住民説明会開催時のサポートを行ったりする業務も担当しています」

計測業務や基礎調査以外に、南はグリーンベルトの活動支援にも携わっています。

南 「グリーンベルトとは、市街地や住宅地の無秩序な拡大を防ぐために設置される森林帯のこと。住民が生活するエリアの近隣にある樹林を守ることで、大雨が降っても土砂が流れ出てしまわないような、防災に強い森づくりをめざした活動です。

地域の中学校に出向いて樹林整備の大切さを教えたり、樹林整備体験を支援したりしています」

そうやって現在こそ幅広い業務を担う南ですが、入社1年目は計測コンサルタントとしての仕事の流れを覚えるので精一杯だったと振り返ります。

南 「実際の計測作業は別の部署が担当するので、その部署とやりとりしながらスケジュールを決めたり、お客様と調整を行ったりすることが多いです。計測が終わって地形のデータが提出されたら、私たちで『どれくらい土砂が流出しているのか』といった解析を行って納品します。

最初は、そもそも土砂がどのように動くのか、砂防堰堤がどのような役割を果たすのかも理解できていなかったので、解析作業にはかなり時間がかかりました」

そんな南を支えたのが周囲のメンバーたち。手厚いフォローのもとで業務の流れへの理解が深まるにつれ、余裕が生まれていきました。

南 「ひとつの業務を複数人で回すのが基本。わからないことがあれば先輩に聞きながら作業できる環境があり、疑問をその場で解消することができたのはさいわいでした。

また、計測業務は1年かけて取り組みます。どの時点で何をすべきかなど、2年目には業務の全体像をつかめるようになっていました」

入社後の1年間で着実に成長を重ねてきた南。グリーンベルトの支援活動を任されることになったのも2年目のことです。

南 「自然が好きなので、山に入って自然の生物と触れ合ったり研究したりする仕事に就きたいと思っていました。『環境系の仕事をしたい』とずっと周りに伝えていたので、グリーンベルト支援活動の話をもらったときはとてもうれしかったです。

同活動は中学校や発注者、市役所や関係団体との調整が多い業務。仕事に慣れたタイミングで任せてもらえたのもありがたかったですね」

念願だったグリーンベルトの支援活動に関わるようになって約1年。いまの仕事に大きなやりがいを感じていると言います。

南 「グリーンベルトや樹林整備の目的や効果を伝えて防災啓発を行うだけでなく、中学生たちと一緒に森に入ることもあります。木が密に生えている箇所をのこぎりを使って伐採してもらい、その前後での森の見え方の違いを実感してもらうなど、森林帯や樹林整備の大切さを楽しく学ぶためのお手伝いができていて、とても充実しています」

自分の「好き」と「得意」を活かし、仕事の中でも活躍していく

▲液晶タブレットを使ってロゴを作成

自然と戯れながら育ち、樹林整備や緑地計画の意義を伝える立場となった南。木々や生物たちと触れ合ってきた原体験のある自分だからこそ発揮できる価値があると言います。

南 「グリーンベルトの支援活動では、実際に森に入る前に動植物の危険性について伝えることになっていて、幼いころに身につけた知識が役立っています。たとえば、ある中学校の近隣には、触れるとかぶれの症状を引き起こすことのあるウルシが繁茂していたので、あらかじめテープを巻いて目印を付け、特徴を説明した上で『触らないように』と注意喚起しました。スズメバチやマムシなど危険な生物がいるケースもあるので、念入りに呼びかけています」

また、グリーンベルトの支援活動の中では、関係団体との連携が欠かせません。

南 「市役所の職員の方がハザードマップについて説明してくださったり、土石流が起こったときに砂防堰堤の有無が下流にどう影響するかを、国交省の方が模型を用いて見せてくださったりします。実際の業務に携わっている方に伝えていただくことで、生徒たちにとってよりわかりやすい内容になっていると思います」

一方、所属部署の業務とは別のところで、南は特技を活かした活動も行ってきました。入社時に書いた新入社員紹介シートの趣味の欄に“絵を描くこと”とあるのを見た支社長から直々に、「支社のシンボルとなるロゴを描いてほしい」と頼まれたのです。

南 「ロゴはつくったことがなかったので不安でしたが、これも挑戦だと思ってお引き受けしました。漫画研究会での経験も踏まえつつ試行錯誤しながら取り組んだところ、『中部支社らしい良いシンボルだ』と評価してもらいました。

その後、ロゴだけでなく社内掲示板のためのキャラクターのイラスト作成も担当しました。今後は中学校に渡す資料にもイラストを挿入してわかりやすくするなど、広い範囲で活用できたらと思っています」

いまも余暇には絵を描き続けていると言う南。ほかにも爬虫類カフェに足を運ぶなど、公私ともに充実した時間を過ごしています。

南 「大学時代に爬虫類カフェでアルバイトしていたほど、動物の中で爬虫類が一番好きなんです。以前に働いていたバイト先に遊びに行っては癒されています。

年度末は繁忙期を迎えかなり忙しくなる見込みですが、通常はプライベートの時間を確保できていて、趣味にも打ち込めています」

好奇心と柔軟性が導く、キャリアの可能性

▲現場で上司から指導を受ける南

好きなことや得意なことを仕事に活かしているように見えますが、「何がなんでもやりたいことをする」という強い意志を貫いてきたわけではないと言う南。仕事への向き合い方についてこう話します。

南 「やりたいことや興味のあることについて周りに伝えることは大切だと思います。ただ、私の場合、どんなことでも続けているうちに楽しみを見出せるところがあるんです。

グリーンベルトの支援活動はもちろん、計測業務にしても、これまで知らなかった新しいことを学ぶことができて、とても楽しいと感じています。やりたいことを会社で100%実現することは難しいこと。どんなことでも、取り組むうちにおもしろさが見えてくるものです。こだわりや先入観を捨ててまずやってみることが、仕事にやりがいを感じるための近道だと思います」

インターンで感じた社員の人柄や職場の雰囲気に対する印象は、入社して丸2年が経過したいまも変わっていないと言う南。周りの人と、食事に行ったり飲みに行ったりして、いろんな話を聞きながら自分の話もして相談事もすぐにできるような環境があります。風通しの良い環境でめざすのは、軽やかに新しいことに取り組むこと、そして仕事の範囲を広げることです。

南 「当社には、たとえば環境系の部署で鳥類や魚類を担当している方のように、自分の得意分野や専門分野を追求してスペシャリストになる人がいます。一方で、さまざまな業務がこなせて、『どんなことでも〇〇さんに聞けばわかる』といわれるようなオールマイティな人も。

私の目標は、後者。幅広い経験がしたいという気持ちが強いので、新しいことにどんどん挑戦していきたいです」

“好き”ד新しい知識とスキル”を掛け合わせながら、目覚ましい成長を遂げてきた南。これからも活躍の幅をさらに広げながら、まだ見ぬ自分の可能性を追い求めます。

※ 記載内容は2023年6月時点のものです

アジア航測株式会社

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