日本企業をもっと元気にしたい──経営者の心に寄り添う〈みずほ〉のコンサルの真価
会社を持続可能な形でどのように成長させていくか、頭を悩ませる経営者や経営企画室のスタッフがいる。それらの悩みに寄り添い、課題解決までを支えるのがみずほリサーチ&テクノロジーズのコンサルタントだ。グループの総合力を活用しながら、それぞれの企業らしい将来の実現を支えている。【talentbookで読む】
企業と経営者の課題は、日々増え続けている
主席コンサルタント。名刺にそう刷られた中村 宏之の顧客は売上高一千億円超~数百億円規模の企業だ。
業種業態は問わないが、近年は食関連の企業が多い。また、とくに中堅と呼ばれる規模の企業が経営を考えようとすると、大企業や中小企業にはない課題に直面するという。
中村:より小規模な企業の場合は、ほとんどの経営課題や対応策がすべて経営者の頭の中に入っていて、従業員もそれを認識していることが多いのですが、ある程度の規模を超えると経営企画部門のような部署を設けた組織的な対応が必要になります。
一方で、同じように組織的に対応しているより大規模な企業と比べると、人的リソースが足りないことが多い。それでいて、東京証券取引所はPBR(株価純資産倍率)1倍割れの回避やサステナビリティ対応、人的資本の開示など新たな対応を求めるようになっている。
中村:以前は店にあるものを売っているだけだったコンビニが、宅配便の受付や公共料金の支払いといったサービスの幅を徐々に広げているのに似て、企業の経営企画部門の仕事は増え続けています。
そうした変化に伴い、コンサルタントの仕事の幅も広がっている。
中村:私の専門分野の一つとして、お客さまの長期ビジョンや中期経営計画策定支援がありますが、この分野でもサステナビリティにおける対応など同時に考えなければいけない要素が増えています。
当部は、他にも、新規・既存の事業戦略策定支援、組織再編やガバナンス強化、業務改善の支援をはじめとしたサービスがあります。また、これら従来からのサービスに加え、サステナビリティやDXに関するニーズも高まっており、これらは他の専門部隊と連携して対応しています。
顧客の「したいこと」を鵜呑みにせず、「本当にすべきこと」を探索する
中期経営計画策定の支援とひとことで言っても、その内容は多岐にわたる。中村と同じ部署で働く主任コンサルタントの伊藤 千恵子はこう語る。
伊藤:たとえば、『ステークホルダーに自社の魅力を伝えられる中期経営計画を作りたい』といったご相談をいただくこともあります。
こうしたとき、コンサルタントはなぜ“ステークホルダーに自社の魅力を伝えたいのか”という理由を深掘りし、しっかりとゴールを見極めた上で適切な対処方法を示していくのですが、ときには経営者の方が重視する経営指標と、ステークホルダーが重視する指標が異なることもあります。
経営者の方が重視する指標だけに触れた中期経営計画をつくることもできますが、第三者の視点からステークホルダーとのギャップを説明してご理解をいただき、その指標を盛り込むことでステークホルダーに自社の魅力を伝えるだけでなく、お客さま自身が一歩先に進むような中期経営計画とすることができます。
ヒアリングに基づき、コンサルタントが最終形に近い中期経営計画や新規事業の案を作ってプレゼンすることもあれば、顧客企業による策定のプロセスに立ち会うこともある。
中村:印象に残っているのは、お客さまのプロジェクトメンバーが新規事業企画を考え、企画書をまとめた案件です。
当時の私の仕事は会議のファシリテーションなど部分的なものに留まりましたが、新規事業の内容も、それを経営者に対してプレゼンした社員の皆さんの熱意も素晴らしいものでした。この事業は夢物語に終わることなく、実行にもつながっています。
この経験で、コンサルタントの役割とは意見を押し付けたり独りよがりでプランを作ったりすることではなく、お客さまの中にあるものをじっくりと引き出し、議論を通じて内容を深め、それをわかりやすい形に表現し収斂させることなのだと気づかされました。
コンサルタントには、顧客に言われるがままでもなく一方的に言い分を押し通すのでもない、適切な立ち位置と役割があるのだ。
顧客企業と経営者を理解するため、五感をフル活用する
コンサルタントは、ある会社の門をくぐったら、経営者の次にその会社のことを考えている人であるべき──。伊藤は、この仕事を始めたころからそう言い聞かされてきたという。
伊藤:経営者のように事業の責任を負うことはできません。それでも二番目に考えているのは私だと胸を張れるような意気込みや心意気が必要だと言われ、まさにその通りだなと思っています。
中村:コンサルタントは、経営者に敵いません。経営とは、社内の人材を大切にする一方で、顧客や市場、社会といった外からの要請に応える。つまり、内外のバランスを取りながら、会社としての構想を描き実現するということなのだと思います。そうした多岐にわたる仕事をしている経営者に、私たちは敵うはずがありません。
ただ、それでもなんとか経営者をはじめとするお客さまの助言役になろうと、日々さまざまな事柄に関心を持って知識を得て、プロジェクトの中では内外の状況を丹念に分析するなどし、それらを総動員しながら進めています。
お客さまの会社のことはお客さまの方が当然詳しいのですが、われわれが参画させていただくことで外の風が入り、経営者をはじめとするお客さまに何らかの新たな気づきを与えられるきっかけになれればと思っています。
その役割を全うするために心がけていることは、損益計算書や有価証券報告書から顧客を知るだけではなく、よく聴き、見て、感じることだという。
伊藤:コンサルタントというと、話す仕事だと思われるかもしれません。でも、実際は聴くことが主な仕事です。それも、誰が言っているのかにとらわれず、何を言っているのかを素直に聴くことが大切だと思っています。
中村:コロナ禍では難しいこともありましたが、お客さま、とくに経営層の方々にはできるだけ対面で話を聞ける場を設けていだだけるようにお願いしています。熱量や雰囲気が直接伝わってくるからです。
顧客が工場や倉庫を持っていれば、そこへも足を運ぶ。
伊藤:文化や風土のような数字では表せないものも、普段の様子を見せてもらうことで感じられ「こういう会社なのかな」と仮説を立てることができます。
顧客企業の個性を重視し、適した将来像を描く
中村と伊藤の両名は、どちらも転職組で新卒時は別の会社でコンサルタントとしてキャリアを歩み始めた。
伊藤がコンサルタントという職業を選んだのには、学生時代に経験した海外のテーマパークでのインターンが大きく影響している。
伊藤:当時の職場でオフィスワークや現場で汗をかく仕事などさまざまな働き方を目にし、実際に経験もしましたが、それぞれが完全に独立していて交わっていないことが気になりました。
一方、日本企業にはそうした区分がなく、みんなのチカラを結集して、良い製品を作ったり価値を上げたりしようとしています。そうした日本企業の良さは、もっと高く評価されるべきではないのか。それに貢献できる仕事はなにかと考えた時、コンサルタントという職業に行き着きました。
新卒時には管理会計に特化したコンサルタントとして働いていたが、関われる仕事の幅の広さ、そして長さを考えて同社の前身であるみずほ総合研究所へと転職した。
伊藤:管理会計に限らず、より企業戦略の上流から携わりたいと考えて転職しました。また、以前は契約が終わってしまうと、支援をしたプロジェクトがお客さまのところで本当に実行できたのかがわからないままで、それを歯がゆく思っていました。
でも、ここでなら、たとえばみずほ銀行の担当支店を通じてフィードバックを得ることができ、さらにはお客さまの状況に応じて中長期的にご支援をすることも可能です。
また、コンサルティングチーム単独ではできない課題解決手法も、みずほグループで連携を図ることで可能となりお客さまにとってより付加価値の高い支援ができる組織だと思います。
職場が変わり、仕事の範囲は広がってもインターンで抱いた気持ちは今も変わっていない。
伊藤:日本企業をもっと元気にしたい、世界から注目されてほしいという夢は今も抱いています。そのためにも、より多くのお客さまに目の前の業績だけを意識する経営やP/L重視の経営だけでなく、今持っている資産をどのように活用し、生産性を向上させるかといった資本コストを意識した経営を実践していただきたいです。そして、そのために私たちコンサルタントをうまく活用していただきたいです。
同じく、転職経験のある中村は、みずほリサーチ&テクノロジーズだからできることの一つに、計画の実行への移しやすさを挙げる。
中村:中期経営計画や新規事業の計画などは言うまでもありませんが、その後の実行が重要です。設備投資が必要であったり、M&Aの候補先を探したりなど、お客さま単独では進めにくい分野のことにおいても銀行をはじめとするグループ内の組織を活用していただきながら進めることができます。
また、現在のような形で顧客と向き合うのが性に合っているという。
中村:前の職場では大企業を担当することが中心でしたが、経営者の方と直接話をする機会はほとんどありませんでした。しかし、現在は経営者の方と直接お会いして一緒に仕事ができています。
みなさん、本当に個性的です。その個性、経営者の意志や熱意こそが、じつは中期経営計画などをつくるときに非常に重要です。眼の前の数字だけでは将来をつくっていくことはできないからです。
二人とも前の職場と比べると、みずほリサーチ&テクノロジーズには“まじめ”という印象を抱いている。
伊藤:大胆なことをするよりは、慎重に、一歩一歩確実にコンサルティングを進めていると感じます。
中村:そうしたまじめさに、ちょっとした“ズレ”を加えていきたいですね。今、社会には2つの動きがあると感じています。
1つは同質化です。一例として生成AIがあるのですが、現在普及し始めている大規模言語モデルの仕組みを前提にすると、生成AIが普及すればするほど社会の考え方や動きが“真ん中の答え”の同質化に向かう傾向が高まる可能性があります。その結果、単純に考えると、規模で勝る業界トップが市場をほぼ総取りしてしまうことになるのかもしれません。
しかし、社会はそう単純ではなく、携帯電話市場がそうであるように“真ん中の答え”ではないような製品が市場を席巻する可能性もあります。そうなると、今後は社会の考え方や動きは注視しつつも、より企業のらしさやこだわりを追求していくことが必要になるのではないでしょうか。
もう1つは専門性の細分化です。社会が成熟するとあらゆる分野が細分化され、専門性は狭く深くなるものらしく、巷にはあらゆる分野の専門家が増えていっているように感じます。
そのような中でも細分化する専門分野に横串を通し、全体としての大きな構想を描くことはいつの時代においても必要ですし、それができなくなると企業や社会全体が弱くなっていってしまうと思います。
こうしたときに私たちに課せられるのは、「みんなと同じではなく、少しズレがあるからこそそれぞれの会社らしさが発揮される。そんな全体としての大きな構想を描くことのお手伝い」だと思っています。
すべての経営者が個性的であるように、すべての企業も個性的だ。みずほリサーチ&テクノロジーズのコンサルタントは、その個性を磨き輝かせる手伝いを今後も続けていく。
※ 記載内容は2023年9月時点のものです
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