飲み会、残業「昭和を生き抜いた」男性ばかりが管理職でいい? ジェンダーギャップを考える
(3)男性の家庭進出
妊産婦は、ホルモンバランスの変化で産後うつになりやすいなど、精神面でのサポートが重要です。産後の夫の行動で妻の愛情曲線が大きく変わる、という統計データもあります。男性も育休取得や家庭進出が必要な理由のひとつでしょう。
労働人口が減っている日本では、女性のキャリア断絶や生活の負担を減らせるかも重要です。スピードと不確実性が増し、人口構造・社会構造も変化しているいま、経済合理性の観点からもますますダイバーシティ&インクルージョンの必要性が認識されています。
以前と比べれば社会意識は変わってきましたが、家事育児の負担は、まだまだ女性に偏っています。家庭生活と愛情を持続させるためには、職場の整備とあわせて、家庭内ではしっかりと話し合って歩み寄り、お互いに納得できる分担が大事でしょう。
(4)社会全体の意識改革
子どもはアニメやテレビから多くのことを学んでいます。たとえば、アニメでお母さんだけが家事をして、お父さんが手伝わないというシーンが登場したとき、「それが当たり前」だと誤解されないように、子どもたちと会話したいなと感じます。
娘が経営者・政治家を目指したって全然いいし、息子が料理や洗濯をしたいと言ってくれたら下手でも快く手伝ってもらい、生活のなかでも性別役割ではなく個人志向による選択を促す。結婚出産だって子どもたちの時代はもっとしない選択が増えているだろうし、別姓を選ぶ夫婦が増えたり、結婚しないで子どもをもつ人の割合が多くなるかもしれない。価値観が多様になっているだけに、「押し付けない」ことが大切ではないでしょうか。
これからは、大人も子どもも関係なく、個人を尊重する考え方が望まれています。違う意見を一方的に批判するのではなく、話を聞いて建設的に議論することが、次世代に良い形を残すことに繋がるのだと思います。
【筆者プロフィール】
谷平 優美
ウーマンエンパワープロジェクト代表/株式会社ルバート代表取締役。早稲田大学商学部卒業後、総合人材サービス会社で新規事業立上げ・執行役員を経て、 株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。WEB企画・マーケティング、法人営業を経て退職。出産前後には専業主婦やフリーランスも経験。サロン講師、就職講座講師やキャリアカウンセリングをしながら、無理ない子育て中の働き方を模索するも待機児童となり認証保育園を利用しながら活動。転職支援・キャリア教育に関わった経験と、出産後に感じた様々な社会への違和感に何か発信をしたいと2012年にママハピを創業。2018年、社名変更後は時短ママのジョブシェア体制で事業運営。J-WAVEやフジテレビライブニュースα、東洋経済、NewsPicksなどメディア実績多数。2児の母。