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外出自粛中でもパチンコに行ってしまう人の心理 元ギャンブル依存症者が解説

外出自粛中でもパチンコに行ってしまう人の心理とは

外出自粛中でもパチンコに行ってしまう人の心理とは

新型コロナウィルス感染拡大で緊急事態宣言が出され、さまざまなお店が営業自粛しています。パチンコ店もその対象となっている自治体がありますが、一部の店舗が営業をしており店名公表などの措置が取られています。

それでも営業を続け、その店に通う客がおり、「なんでパチンコいくの?」と思う人も多いはず。「みんな外出自粛している中でなんで?」「他県に遠征ってなんのため?」「感染拡大したらどうするんだ」などと腹立たしくなる気持ちはわかります。

筆者もそう思うのですが、何を隠そう元ギャンブル依存者。わざわざこの騒ぎの中、他県まで行ってパチンコを打ちたい気持ちはギャンブルしない人には理解できない行動です。僕には少し理由がわかる気がするんです。(文:ちばつかさ)

負けが続いている人ほどパチンコに行ってしまう傾向も

感染リスクがあると分かりながらパチンコ屋に行くことは、ギャンブルをしない人、パチンコ・パチスロをしたことがない人は全く理解できないことだと思います。僕の依存経験談を含め、理由として考えられることをいくつかあげてみますね。

1.ギャンブル依存である

たばこやお酒への依存を考えてみればわかりますが、いくら値段が上がろうがダメだとわかっていようが吸うし飲んでしまう。アイドルに依存していればどんなに遠くだとしても追いかけてしまいますよね。わかっちゃいるけどやめられない。

心理的の側面としては、自尊感情や自己評価が低いといった状態を埋めようとすればするほどそれにハマっていきます。またそれを行ったときの快感を覚えたらなかなかやめられないんです。

2.自己責任論者

「俺は俺の人生を生きているんだから勝手だろ、自己責任だ」と思えば他人なんて関係ないですよね。と思いきや、実はそれを言い訳にしている可能性はあります。いきたくない、でもいかなきゃ気が治らない。その言い訳として自己責任論者に転じるんです。

認知的不協和理論といって、例えばたばこを吸うのが体に悪いのはわかっていてもやめられないとなると、”もっともな言い訳”を語って自分の中の不協和を改善させようとするんです。これはおそらく誰しもがやっちゃいがちですよね。

3.切羽詰まっている

心理学の中で損失回避というものがあります。例えば「コインを投げて表が出たら200円獲得、裏が出たら100円損失」と「コインを投げて表が出たら100円獲得、裏が出ても損失はない」ならどちらを選びますか? おそらくほとんどの人が2を選ぶと思います。人間は損失したくない、損失は回避したいという心理が働くからです。

では、次の選択はどうでしょうか。今、借金が1000万円あって返済を迫られているAさんと、借金がないBさんがいるとします。2人はどちらを選ぶでしょう。

1.コインを投げて表が出たら1000万円獲得。裏が出たら900万の損失
2.確実に50万円もらえる

借金があるつもりで考えると1を選ぶ人が多いんじゃないでしょうか。最初の問いでは2を選んで損失を回避するのに、自分の状況が変わるとギャンブラー性が増すんです。つまり今、この状況でもパチンコに行ってしまう人は、負けが込んでいる可能性は高いです。

もし勝ち続けていたのなら感染リスクを冒してまでパチンコには行かないはず。となると、負け続きで”いかなければならない状況”の人がほとんどなのでは、と思うのです。僕も負ければ負けるほどさらにお金をつぎ込んだ経験があるので……。

だからといって「こんな時でもパチンコいくのは仕方ないよね」と言っているわけではありません。「その心理に合わせた対策がパチンコ店側に必要じゃないの?」という提案です。

難しいと思いますが、1週間分の負けを出玉で還元するとか、「自粛明けに玉やコインをプレゼントするから今は我慢しましょ」と会員向けに発信するとか、そう言ったアプローチもかける必要があるのではないでしょうか。

短絡的に「行くのおかしい」と考えるのは簡単。僕たちもハマる心理的な罠をどう解いていくのかが自粛を促すきっかけになるのかもしれません。

著者近影

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【筆者プロフィール】ちばつかさ

合同会社komichi代表。柔道整復師、こころと体のコーディネーター、元プロ野球独立リーグ選手。東京と福井で投げ銭制の接骨院を運営しのべ10万人近くの心と体に向き合ってきた。野球経験とコーチングの経験を活かし都内で”野球を教えない野球レッスン”を運営。レッスン卒業生がU12侍ジャパンの代表に選出された。現在、心理学を学ぶため、アラフォーで大学在学中。【公式サイト】

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