会社勤めの男性は年収700万円、パチンコ歴は約30年に及ぶ。酸いも甘いも知り尽くすが、今のところマイナス2000万円と大きく負け越している。

そんな男性がパチンコと出会ったのは大学時代の頃。人生初のパチンコで大勝した。「あのサウンドと光に魅了され、パチンコにハマる人生がスタートした」と振り返る。

「パチンコを打ちたいがために、大学のサークルをサボりがちになった。そして生涯の友となるはずだった人たちを失った。そんな学生時代は、いい台が空くまで待つ余裕もあった。というより、お金がなかったので悪い台を打たずに選んで打てていた」

そうした努力も実ってか、大学時代のパチンコ収支はプラス200万円。しかし社会人になると大学時代のようにはいかない。時間の関係上、ほぼ満席の中から空いている台、つまり悪い台に座らざるを得ない時も少なくなかった。

最初のうちは「この台は俺の金で新台と入れ替えた」と負け惜しみも言えたが…

月5～6万円のマイナスが続くようになり、気づくと年72万円の赤字になった。それが30年間も積もり、現在は2160万円のマイナスとなっている。

「負け込んだ当初は『この台は俺の金で新台を入れ替えした』とか言い回っていた。実際に高級車やマンションが買えるレベルまで投資したのは事実」

当時の男性はV字回復を夢見て、回転数から睨んだり、必勝法を熟読したりした。それでも「自分の台は他の台より確率が悪かったのか、当たっていてもおかしくない確率上で常に負けていた」と巻き返すことはできなかった。男性は現在の心境について、

「あの2000万円を貯金として残せていたら……。同時にパチンコ店での時間も、もっと旅行とか人との交流に使えていたら……。この年齢になり、そう感じている。でも、やっぱり”費やした時間”の方がもったいないことをしたと思う」

と嘆く。

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