はに丸くんがライザップのお客に直球質問 「ねえねえ、痩せてどうするの?」
1984年生まれで、山深い寒村で山犬に育てられた僕にとっては、幼少時のNHK教育テレビは毎日色んな童謡や寸劇で楽しませてくれる素敵な劇場のような存在だった。
中でもお気に入りだったのが「にこにこぷん」と「おーい!はに丸」で、この2つの番組を観て育ったから、二本足で歩ける立派な人間になれたと自負している。
2014年からNHK総合で不定期に放送されている「はに丸ジャーナル」では、はに丸くんとひんべえが25年ぶりに再登場。はに丸がジャーナリストとなって話題の物事に取材を行くという番組になっている。
35万円かけて、そんなに腹筋割りたいのか
5月6日の放送分では、はに丸くんがテレビに映った男性の割れた腹筋、いわゆるシックスパックを目の当たりにして興味津々。その作り方を知るために、スポーツクラブ・ジムのライザップに取材に出向くVTRが放送された。
ライザップといえば、TVCMもやってる話題のスポーツジム。基本料金は入会金が5万円、2ヶ月分のコース料金が29万8000円と、決して誰もが利用できるほどリーズナブルな価格ではない。少なくともここ数年おつとめ品しか食べてない僕には無理だ。
はに丸くんが訪れた店舗では、ちょうど1人の利用客がインストラクターからマンツーマンの指導を受けていた。この利用客の中年男性、元々100キロ近くあった体重が、2ヶ月で70キロ台にまで落ちたという!
腹筋はまだ割れてなかったけど、特に腹部を重点的にいじめ抜くトレーニングを毎回50分もやって汗だくになっている様子を見ると、マジで次の2ヶ月でバッキバキの腹筋になるように思える。それに加えて食事指導もあるというのだから、これで痩せない人はほとんどいないに違いない。
お客「シックスパックになるためだから頑張れるんだよ」
さて、取材中のはに丸くんが、トレーニングを終えて汗だくになっているおじさんに「痩せてどうするの?」という質問を投げかけた。これを聞いたおじさん、困った表情をしたんだけど、いきなりそんなこと言われちゃうと、誰でもそうなるよね。
トレーニングを済ませた直後にそんなことを聞くはに丸くんは、なんとも天然な人だなぁ(埴輪だけど)。しかしライザップのCMのパロディとかもやってたけど、大丈夫かNHK?
おじさんは「シックスパックになるためだから頑張れるんだよ」と言っていた。モテたいからとか、不規則な社会人生活でメタボになるのを防ぐためとか、色んな理由があるけど、その苦労の果てにシックスパックという栄誉があるということかな?
ただ、番組ではそもそも日本人の中には、肥満体型じゃない人でもダイエットを意識しているという調査結果を紹介してもいる。「シックスパックも魅力的だけど、無理にダイエットをしなくてもいいんだよ」ってはに丸くんが言っている気がした。
「太ってると、幸せになれないのかな?」とつぶやくはに丸
VTRの終盤、はに丸くんがこう言った。
「僕はご飯を食べて、楽しくおいしくみんなと過ごしたいな」
「太ってると、幸せになれないのかな?」
はに丸くんがそもそも25年以上見た目が変わらない以上、太るという概念は理解しがたいのは別として、僕はその言葉が耳に残った。
確かに見た目の微妙な差は、相手からの印象を異なるものにしてしまう現実がある。とはいえシックスパックがあろうとなかろうと、その人の評価がそこまで大きく変化するわけじゃないだろう。
とすると、割れた腹筋は自分のためなのだろうか。自分に自信を付けるという意味では、ある程度の価値はあるのかも知れない。僕は今のままでも十分人生楽しいけど……。しかしひんべえ全然喋らなかったな、大丈夫かひんべえ!(文:松本ミゾレ)
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