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「キィエエエィッ!」師匠の声が山中に鳴り響く 霊感持ちの父がそこで見たものは……

修行の場は、筆者の実家近く。「霊験あらたか」とされている山があり、父は子どもの頃から叔父とよくこの山で「山籠り」をしながら、空手や柔術の稽古をしていた。山頂には天狗が祀られている神社もある。

その御堂で座禅を組み読経する修行などもしていた(父が幽霊に対抗できるのは、おそらくこうした鍛錬があったからではないだろうか)。稽古は真夜中に山籠りして行われることもあり、暗闇の中の修行では不思議な経験をすることもあったという。

父が小学6年生だった時。当時20代だった叔父と、空手の師匠、大学生の父の従兄弟の4人で、夜中に山籠りの稽古をすることになった。山へ入り、叔父の師匠は山頂の神社へ行き、御堂の中でひとり座禅を組み、読経する。

その間、ほかの3人は神社の少し下にある広場で、空手の稽古をしていた。しばらく稽古をしていると、突然、「キィエエエィッ!」と大きな気合の声が響いた。上の神社からだ。その声は、堂に籠っている師匠のものだった。

神社の屋根から大きな火の玉、その時起きていたこととは……

気合の声に驚き、父は神社の方を見上げた。すると神社の屋根の上から大きな青白い火の玉が空へ飛んでいった。辺りが明るくなるほど、直径2メートルほどのかなり大きな丸い火の玉で、青白い尾を引きながら、上空へ向かって飛んでいった。

しばらくその火の玉に目が釘付けになった。西の空へ消えていくのを見届けると、3人は我に返った。急いで師匠のもとへ駆け上がった。神社へ行くと、師匠は無事だった。「さっきの気合は?」と聞くと、師匠は御堂の中での出来事を教えてくれた。

師匠は御堂の扉を全て閉め、ロウソクをつけていた。その中で座禅を組んで読経していたのだが、突然火がユラユラ揺れ始めたという。揺れは次第に激しくなり、炎が消えてしまいそうなほどだった。

師匠は御堂の中に得体の知れない”気配”を感じ、「このままだと取り憑かれてしまう」と恐怖を覚えた。その気配の方に向かって、父たちが聞いた”気合”を入れると、いなくなったそうだ。

父たちが見たのは、御堂の中の気配が逃げていった瞬間だったのだろう。もちろん、この気配の正体はわからない。この大きく青白い火の玉のことを、父は70歳近くなった今でも鮮明に覚えているという。

ちなみにこの山では、別の稽古時にも不思議な現象があったのだが、それはまたの機会に。

※キャリコネニュースでは引き続き「幽霊はいると思いますか?」のほか【緊急募集】三度目の緊急事態宣言、あなたが思うことや現在困っていることを教えてください共働き・片働きの不満などのアンケートを募集しています。

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