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「着いて行ってはいけないのに…」強霊感の父が山で遭遇した怪現象

気づけば無意識にその靄を追いかけていて、ついて行っていたんだ

【父と娘の心霊夜話】代々霊感の強い家系に生まれた筆者。以前、霊感の強い父が小学生の頃に山の中で遭遇した「火の玉」の話を紹介した。父と従兄弟、叔父、空手の師匠とで夜中に山ごもりの稽古をした時のことだ。

このときは師匠が籠もる御堂に直径2メートルほどの火の玉が現れ、得体のしれない気配に危機感を覚え、”気合い”で追い払ったが、この山で起こった不思議な出来事はこれだけではなかった。(文:コティマム)

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通い慣れた山道 でもなかなかやってこない従兄弟

父は霊感が強く、ある程度の心霊現象を自分で対処することができる。それは父が小学生の頃から、柔術を得意とする叔父や従兄弟のもとで稽古や修行をしていたからだったと思われる。ちなみに叔父と従兄弟も、父ほどではないが多少霊感がある。

そして修行場所というのが、筆者の地元にある「霊験あらたか」とされる山だった。3人は、昼だけでなく夜中も山籠りをし、稽古だけでなく山頂にある神社の御堂で座禅を組む、読経などもしていた。この山は、父たちが火の玉を目撃した場所だ。

それでも、その後もこの山で稽古は行っていた。ある時、再び夜中に山籠りをした。この時は父と叔父が先に神社まで行き、後から従兄弟がひとりで入山することになった。

先に山頂の神社で稽古していた父と叔父だが、いつまで経っても従兄弟が来ない。夜中とはいえ通い慣れている道だ。おかしいと思いながらもしばらく待っていると、遠く暗闇の山の中から何やら声がする。

闇夜の静寂の中、耳をすますと、聞こえてきたのは従兄弟の声だった。必死で叔父の名前を呼んでいる。

「お~い◯◯(叔父の名)! ○○~!」

姿は見えないが、父達の下方から何度も従兄弟の声がする。異変を感じた叔父は咄嗟に、声のした方に向かって九字を切り、気合を入れた。それからすぐ、従兄弟が山頂へ姿を現した

「このままついて行ったら、迷って出てこられなくなる」

通い慣れた山道なのに、どうして時間がかかったのか。その理由を従兄弟は語る。

「いつもと同じように、同じ山道を登っていたんだけど……。気づいたら、目の前を白い靄のようなものが歩いていた。気づけば無意識にその靄を追いかけていて、ついて行っていたんだ」

従兄弟は、頭では「この白い靄について行ってはいけない」と思ったという。しかし、体は言うことを聞かない。白い靄は普段歩いている山道からどんどん外れ、山中の道なき獣道にどんどん入っていったという。

「このままついて行ったら迷って出てこられなくなる、と心は焦っているのに、白い靄から目を離すことができなかった。どんどん山の中に入って行って、まずいと思って大声で叫んだ」

従兄弟は、なんとか靄から逃れようと、もとの道に戻ろうと、何度も大声で叔父の名前を叫んだ。叔父がそれに気づき、山頂から気合を入れたと同時に、目の前の白い靄は消えた。すると元の山道に戻ってこれたのだという。

「あのまま助けを求めなかったら、山道で迷って遭難していたかも……」

火の玉や白い靄。この山には得体の知れないものが住んでいるのかもしれない。

ちなみにこの山では、戦国時代にたくさん人が亡くなっているそうだ。地元の親世代、祖父母世代では、この山に「不思議なものが出る」「天狗が住んでいる」といった噂があったという。

筆者の世代はあまりそういう話を聞いたことがない。山頂の神社でたまにお祭りや相撲大会が開かれていた記憶がある程度だ。ただ、今思うとこうした行事をすることで、その地に住む“何か”を供養していたのかもしれない。

今この山は開発で取り崩され、跡地に病院や公園が建っている。たまに父と跡地近くを通ると、「昔ここは山だったのになぁ。火の玉が出たり、従兄弟が白い靄に連れて行かれそうになったりしたなぁ」としみじみ語ってくれる。

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