コロナ禍のパチンコ「越境ユーザー」を食い止めた、とある店の工夫とは?
ところで先日8月8日は「ぞろ目デー」だった。
パチンコファンは「ぞろ目デー」に、ついつい期待してしまう浅はかな生き物。僕はコロナが怖くて家に引きこもっていたので、1ミリも心は揺れなかったが、周りのパチンカーたちは案の定クソ暑い中、朝から行列に加わって抽選を受けていたようだ。
8月8日は、日本遊技機工業組合が「ぱちんこの日」と制定している。それもあって、全国的に暗黙の了解的に出率を良くしている傾向がある。
いまは広告規制でイベントをするのが難しくなっているけど、「旧イベント日だから今日は出すだろう」という客の欲目を上手く利用して、集客につなげているのだ。今年も実に多くの店舗がリニューアルオープンをしたり、開店●周年とうたって「良さげな感じ」をアピールしていた。
当然、そういった店には客が大勢訪れる。
現在は各地で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出ていて、県をまたぐ移動はやめるように要請されているが、この期に及んでパチンコホールに遊びに行く人は、そんなのに聴く耳は持たない。
普通に電車を乗り継いで越境するパチンコファンも、残念なことに僕の知人の中にもガッツリいた。呑気にSNSで「今これ打ってま~す」なんつって実況中継している人もいたぐらいだ。
さて、そうやって人を集めるとなると、パチンコホール側としても、「コロナ対策」をしっかりやる必要がある。今回は、しっかり対策に取り組んでいるホールがあったのでその話をしたい。長くなったがここからが本題だ。
思わず「なるほど」
パチンコの場合、遊技中は黙って台に向かっているだけなので会話もないし、そこまで飛沫が~という感じもしない。でも、パチンコホールに人が出入りする以上、新型コロナ感染症対策は必要だ。
実際、僕がよく行っていた千葉県内の某駅前小型店では店員に複数の感染者が出てしまい、しばらく営業を休止していた(現在は営業を再開している)。
似たような話は前からチラホラ出てきている。
そんな中で、この未曾有のコロナ禍にあって、パチンコホールは常に自店がクラスター発生源にならないために必死で対策を講じている。
去る8月8日は、その対策の具体例を示してくれるホールがあった。東京都江戸川区篠崎町のBELLE CITY THE CITY 篠崎店は、思わず「なるほどなぁ」と唸ってしまう対処を講じていた。
その対策とは、朝の入場抽選に参加できる人を「限定」すること。江戸川区在住のユーザーか、会員カードをすでに持っているユーザーだけが朝の入場抽選を受けられると、ウェブサイトなどで事前告知し、当日は本人確認書類や会員カードが必須という縛りも設けていた。
これなら他県・他地域から人が殺到することもない。近隣の常連客の気持ちにも配慮した、良い手段だったのではないだろうか。
この告知、すでにサイト上からは消えてしまったが、店舗側の対策に共感したパチンコファンが、チラホラSNSなどで話題にしている。
最初の緊急事態宣言下では、都内のパチンコホールが休業する中、ユーザーが都内から越境して近県のパチンコホール行く流れがあった。BELLE CITYとしては恐らく「どうすればそういった事態を防げるか」を真剣に考えたのだろう。この日は、同グループの他店舗でも同じ対策が実施されていたもようだ。
こういう、来客数が減る可能性が高い「感染対策」って、思いついてもなかなか出来ない。それを断行したことは、もうちょっと注目されても良さそうに感じる。
あ、念のため説明しておくと、朝の抽選ってパチンコユーザーにとって、すごく大事な要素だ。なにせ抽選で良い番号を引いて、「良い台」に座ることが出来れば、もうその日はほぼほぼ安泰だ……と、まあ、少なくとも並んでいるユーザーたちは、そう考えているぐらいだから。