“滅私奉公の素晴らしさ”を説くブラック企業「小話が書かれた小冊子を朝礼で朗読し感想を言わなければいけません」 | キャリコネニュース
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“滅私奉公の素晴らしさ”を説くブラック企業「小話が書かれた小冊子を朝礼で朗読し感想を言わなければいけません」

ブラック企業のループ

ブラック企業のループ

ブラック企業かどうかは、実際に入社してみなければわからない場合が多い。働いてみて初めてブラックぶりを痛感し転職に踏み切っても、次の企業がホワイトかどうかはわからない。

今回はキャリコネニュースの「ブラック企業」アンケートに寄せられた投稿の中から、40代女性の切実な思いを紹介する。(文:コティマム)

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求人票には「朝9時出勤」と書かれていたが、実際は8時から清掃

女性は過去に勤めていたブラック企業を振り返りながら、やり場のない気持ちを明かした。

「理事長がいわゆる『自己啓発もの』にはまっていました。朝礼や研修で『やりがい』を植えつけて、経営者の都合のいいように働かせるやり口です」

その会社の求人票には「朝9時出勤」と書かれていたが、実際は8時から清掃があった。清掃までに制服に着替えておく必要があり、女性が「勤務は8時から?」と確認すると、事務長は「仕事を始めるための準備」と答え、時間外手当は出なかった。

「清掃の後は朝礼です。教材として道徳的な小話が書かれた怪しげな小冊子があり、これを1日1話ずつ交替で朗読させます。その日の話は事前に読み込んでおくことが求められます。感想を発表させて、『自己を省みることの大切さ、奉仕することの素晴らしさ』などを説いていきます。書かれている話自体は美しいエピソードばかりなので、もしかすると洗脳が目的とは気づかない人もいるかもしれません。その結果、定時前の時間外労働を『準備』と言いきってしまうような事務長が育ったのではないかと思います」

業務とは直接関係のない朗読や感想発表会。それだけではなく、月に1、2回の頻度で勤務後の「研修」も開かれていた。

「数人ずつのグループに分かれ、あるお題について意見を出し合うというもので、それが苦痛でした。自由な討論が建前ですが、結論となるのはやはり『滅私精神の素晴らしさ』なので、『出されるべき意見』が暗に示されています。試しにそこから外れる意見を口にしたところ、『そんな考え方で仕事が勤まると思っているのか』『どうしてそんな発言ができるのか理解できない』『今後のあなたが心配だ』などと激しく叱責されました」

この職場では38度以上の熱があっても休めないことさえあった。「会社に奉仕する」という考え方をねじ曲げて社員に植え付けていたようだ。

「たまに好待遇の求人が出たと思うとブラックであることが多い」

さらに女性を幻滅させる出来事が起こった。朝礼で使用している小冊子を出版した会社が作文コンクールを開催したのだ。すると理事長は、職員全員に「感動エピソード」を書いて提出するよう指示した。そして女性が「やっつけで書きなぐったもの」が「運悪く入選してしまった」という。

授賞式が東京で開かれ、女性は参加するように指示された。しかし同日に女性の父親が緊急手術を受けることになってしまい、欠席を申し出た。

「父の手術に付き添わせてほしいと理事長に懇願しましたが、『授賞式は全国的なイベント。出ないなどありえない』と認められませんでした。授賞式後には盛大な晩餐会が開かれたようですが、抗議の意味を込めて欠席しました」

その後女性は昇進し、通勤時間が倍になる部署へ転属が決定した。

「これ以上父の世話に支障が出ることは避けたいと考え、理事長に配慮を求めたところ、『それなら明日から来なくていい』と言われました。解雇予告手当などもちろんありませんでした」

女性はこの会社以外にもブラック企業を何社か渡り歩いているといい、その経験から「都会と違って地方にはまともな給与の出る会社は少なく、たまに好待遇の求人が出たと思うとブラックであることが多いです」と語る。

「たとえブラックであっても、辞めるたびに履歴書は汚れていきます。そして次の応募の際に、『ブラックだったから辞めたと言い訳するのはよろしくない』と助言されます」

入社してブラック企業だと気づき、良い企業を求めて転職するものの、その度に「転職回数の多さ」が目立つようになる現実。

「就業規則が整い、福利厚生も充実して、辞める必要のない恵まれた環境で順調な職業人生を送っている人にはなかなか理解してもらえないかもしれません。ですが、こうしたブラックな職場はたしかに存在します。一度そこに足を踏み入れてしまうと、その後はまともな事業所に採用される可能性は小さくなり、歳ばかりが重なっていっそう就職が困難になるというルートをたどるしかなくなります」

ブラック企業のループに陥ってきた女性は、複雑な思いを滲ませている。

※アンケート概要
■実施期間
2019年12月19日~
■回答数
758 ※8月6日時点
(記事では8月6日に寄せられた投稿を紹介)
■アンケート対象
キャリコネメルマガ会員(63万人)やキャリコネニュース読者、キャリコネニュースSNSフォロワー
■実施方法
アンケート集計ツール「クエスタント」を使用
回答ページ https://questant.jp/q/G42CZUHP
■質問項目
・体験した「ブラック企業」エピソードを教えてください。

※キャリコネニュースでは引き続き「ブラック企業経験談」のほか「夏のボーナスいくらですか?」オンライン会議中のとんでもないエピソードなどのアンケートを実施しています。

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