意外に多い「パチンコで負けた腹いせに嫌がらせ」事案 トイレが悲惨なことになったり、店員に暴力振るったり
先日、パチンコで負けたことに怒って破壊行為に走った客がニュースになっていた。毎日新聞が4月22日に配信した記事によると、沖縄県の中学校に勤務する53歳の男性教諭が今年2月、名護市のパチンコ店で負けた腹いせにカード精算機を強く叩き、液晶のタッチパネルを破壊したという。
これを受け、県の教育委員会はこの男性教諭を停職1ヶ月の懲戒処分にしたとのことだ。さらに、この男性教諭は今回が初めてではないらしく、2017年にもパチンコに負けた腹いせに店の消化器を自分の車の窓から放り投げて破損。そのときも減給処分を受けていたとのことでたちが悪い。めちゃくちゃである。
そんな問題行為をやっておいて教諭職を続けることができていたのも凄いことだ。こういうおかしな人って日常生活を歩んでいるとなかなか遭遇することはない。
ただ、パチンコホールには、そうした事件を引き起こす人が意外に多い。今日はそういう迷惑な連中の話をしたい。(文:松本ミゾレ)
ハンマーでパチンコ台を壊しまくったり、ダンベルで他の客を脅したり
パチンコに対してポジティブな印象を持っている人は少ないだろう。あの場所は遊技場ではあるけど、実態はギャンブルをするところだし、お金を賭けて遊ぶ場所である。しかし、なまじドレスコードも入場制限もないものだから、どうしようもない人も一定数いる。
たとえば2016年には、埼玉県八潮市にあるパチンコホールで、パチンコ台をハンマーで次々殴打していく遊技客が現れて逮捕されている。これもやはり負けた腹いせだったという。パチンコ台を破壊中の動画がネットにアップされ、当時「ハンマーおじさん」とネット上でも話題になった。
このハンマー殴打おじさんを筆頭に、探してみると意外に負けた後に暴れる客が起こす事件ってのは全国で発生している。だけどその全部を紹介していくとそれだけで1冊の本が出来ちゃうし、そんなもん誰も読まないし買わないから省略する。
気になるならGoogleで「パチンコ客 逮捕」で検索してみるといい。ほんと、とんでもないのがいるんだから。つい最近も、ダンベル持ってきて別の客を脅迫したアホが逮捕されたばかりなんだもの。
「トイレ、ひどいことになってるよ」 恐る恐る見てみると……
冒頭で紹介した教諭や、ハンマーで台を殴打して回ったおっさんは物理攻撃系腹いせ負け客である。こういうのはインパクトもあるので、やっぱり報道されやすい。だけど実際にはもっと陰湿というか、あんまり表に出ない方法で報復行為というか嫌がらせをかましてくる遊技客もいる。
僕がパチンコホールの社員だった頃にも、そういう事態に直面した。営業中、トイレから戻ってきたお客さんが「トイレ、ひどいことになってるよ」と教えてくれた。嫌な予感しかしなかったが、恐る恐る確認すると、そこかしこに大便が塗りたくられて、全然掃除されてない動物園の檻みたいになっていた。
当然掃除はしたんだけど、これほどまでに「辞めたい」と思ったこともなかった。実際そのあとすぐ辞めた。他人の大便を処理するために田舎から出てきたわけじゃなかったし。
また、1人の女性バイトさんがお客さんからストーキングされるという事件が、朝礼でシェアされたことがあった。そのバイトさんは結構前から苦しんでいたようで、とうとう店長に告白し、みんなで彼女を問題のお客さんから庇おうという流れになったが、当然相手はそんなのすぐ気づく。
気づいた結果、他のありとあらゆる従業員に対して、異様にねちねちした悪口やクレームを言い放つS級問題客に短時間で成長してしまった。
僕なんて「お前が近くにいると当たらない!」と胸倉掴まれることもあった。結局、その問題行動が仇となって出入り禁止になっちゃったけど、しばらくは外で出待ちしていたようで、結局女性バイトさんを社員が毎日車で送迎することに。
そのうちに送迎を担当してた主任とそのバイトさんがデキちゃって、僕などは「なんだ、あのストーカー、キューピッドやんけ」と拍子抜けしたものである。
あと、シンプルにお客さんにいきなりぶん殴られたこともあった。本当に、通りすがりのお客に突然腹を殴られてしまって、あまりに痛いしびっくりしたから、咄嗟に「刺された!」と思ってしまったほど。
びっくりしている間に件のお客は消えていたけど、「まぁ、ああいう施設に来るような客は大体まともじゃないから」と自分で自分を納得させた次第。
僕もパチンコはするし、しっかり今月も負けまくっているので、負けてショックを受ける気持ちは分かる。だけど、自分でパチンコをしようと思って来店してるわけなので、負けたのは自分の運がなかったせいだと思わないとダメなんだよね。自分がやらかした結果で勝手に不機嫌になって店に当たるってのは、やっぱり良くないよ。