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「18歳になったのでパチンコしようと思います!」←こういう未来の常連さんを囲い込む努力をホールはしているのか

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パチンコホールは、基本的に店員さんのサービスがそこそこ行き届いている遊技施設である。古くはパンチパーマでタバコを吸いながら通路をうろうろしているおっさん店員の巣窟だったが、それも過去の話。今では笑顔を絶やさずキビキビ働く店員さんが多い。しっかりと接客マニュアルを叩き込まれているんだなぁと感心してしまう。

パチンコはボロ負けするとアホほどお金がなくなる一方で、接客面ではユーザーへの気配りが行き届いた施設。それが現在のパチンコホールである。ただし例外がある。それはどのホールも大抵、ガチの初心者への対応が不十分であるという点だ。(文:松本ミゾレ)

初心者お断りではないけど、初心者にハードルが高いのがパチンコ

こちらのコラムでだいぶ前に指摘した記憶があるが、パチンコホールって一見さんにはかなり敷居が高い。どうやって遊ぶのか、どうやれば大当たりするのか、そして出玉を交換する場合はどうすればいいのか。

こういうことについて、ほとんどのホールでは目立つ場所に案内を掲示していない。これは基本的に、ヘビーユーザーばかりが訪れる娯楽になってしまったことによる弊害である。昔はそれこそ、パチンコを知っている人が未経験者を連れてきて遊び方を教えることで、新規ユーザーが増えるというのがお定まりのパターンだった。だからお店側が特に何か初心者向けにあれこれ世話を焼くことはなかった。

しかしユーザー自体が減っている現在では、未経験者をパチンコに誘う人も激減している。

今では全国の各ホールが、残ったヘビーユーザーの取り合いをしているというのが実情だ。

そういった中で絶対に必要なのが新規ユーザーの獲得なんだけど、未だに業界はそれをお題目として掲げつつ対応できていない。新規ユーザーがパチンコをしたいと思ってホールに出向いても、どう遊んでいいかわからないのだ。

まずは台を確保して、サンドユニットにお金を入れて玉の打ち出し、メダルを借りるなどの一連の流れを行う。これだって、しっかりと説明されないと初心者は多分理解出来ない。

また、景品に交換するところまでは問題なく実践出来ても、問題はそこから先。景品をお金に交換する流れに関しては、どのホールも明言を避ける形になるので、初心者は交換した金景品を持て余す。初心者どころか、僕らヘビーユーザーですら、初めてのホールだとどこに交換所があるか分からず右往左往することも多い。

これはやっぱり不親切なものだ。パチンコホールと交換所は別々の事業者が運営しているため、三点交換方式を成り立たせる以上ここをぼかすのは仕方ないけど。

特に本当のガチの初心者ほど「すみません、遊び方を教えてください」という言葉を誰に伝えればいいかも分からないものだ。初心者は何も分からないのが当然。多くのホールでは、一応「分からないことは店員に聞いてね」ってアナウンスぐらいはするんだけども、実際は繁忙店だとそもそも店員がシマにほとんど来なかったりする。

新規ユーザーを常連にしたいなら、ガチの初心者向けの遊技案内は必須

少し前にも初めてパチンコを打っているっぽいお客さんが、大当たりした際にV入賞をしなければならないタイミングで打ち出しをせず、ぼんやり液晶を眺めながらそのままパンクさせるという瞬間を目にしたことがあった。

隣で打っていた僕も途中で気付いて慌てて「ハンドル握って思いっきり右に捻って!」と言ったがもう遅かった。「左打ちに戻してください」という台からの音声が流れて、そのお客さんは「さっき当たったんですけど」と困惑していた。

そこで僕は「もう今となっては遅いけど」と台の遊び方をレクチャーした。案の定彼はその日初めてパチンコをしたとのことで、「もう少し勉強してから遊ぶべきでした」と苦笑していた。最低限、損をしないための遊び方ぐらいは台横の冊子に明記しててもいいように思うけど、来店する客の大半がヘビーユーザー前提の接客だと、まあ省いても当然かなぁという気はする。

それこそ先日、5ちゃんねるに「18になったからパチンコ行ってええか?」というスレッドが立っていた。スレ主は18歳になったんでパチンコに挑戦したいから、おすすめの台を教えて欲しいと書き込んでいた。

このように、今でもパチンコに目が向く若者は少ないながらもいる。そういう人が貴重な時間とお小遣いを投じようとしているんだから、遊び方をちゃんと教える義務がホールにはあるのではないだろうか。

前述の大当たりをパンクさせた初心者の男性にしたって、そもそも「Vを狙え」と液晶に指示されていたが、本当の初心者にとってはVが何か分からないし、狙えと言われても、何をどう狙うのかすら想像もつかないわけで、その辺をお店側も想像しておくことで、「なんかわかんねえけど1万円負けたから帰ろう」という初心者を生まずに済むように思える。

大体どの店も、台に備え付けの冊子には遊技台の特化ゾーンとか確率の概要が書いてあったり、その店で扱ってる飲み物のメニューが書かれている。だけどそんなものよりもまず冊子の1ページ目に、初心者はどう遊べばいいのか? みたいな説明を、A4用紙1枚分ぐらいでいいから一緒に置いておいた方が良いと思う。

それすらせずに「分からないことがあったら店員をお呼びください」って言っても、分からないことが分からない人には通用しないだろう。

僕は娯楽文化としてパチンコもパチスロも好きだし、生かさず殺さず遊ばせてくれるんならこれからも付き合っていきたいと思っている。でも見渡すとジジババばっかりになってきたこの遊技場の客層を思うと「30年後にはもうなくなってる文化かも」と危惧することもある。

未経験者がお店に入ったとき、どう対応するべきかということを、せめて各ホールの店長さんぐらいはシミュレーションした方がいい。初心者って、本当に常連とは全然違う生き物なんだから、それを踏まえた対応を期待したいところだ。

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