ハイエナ行為でホール出禁も…… 最近の厳しいパチプロ事情について
パチンコは、基本的に余暇産業。お金を使って暇つぶしをする施設である。だから100人いれば80人は負けるし、残り20人は運良く勝っても、次に来店したときは負けることがほとんどだ。そういうものなので、仕方がない。
ただし立ち回り次第では勝ち続けることも不可能ではない。いわゆるパチプロになれるのは、勝ちやすく負けにくい立ち回りできる人だ。そしてパチプロは意外とそこらへんにいる。僕の周りにも、パチプロ、スロプロがいる。
しかしこういうプロと呼んでも差し支えない人も、最近はなかなかしんどいとも聞く。たとえば2年か3年ほど前には、パチンコに実質天井を設けた「遊タイム」という機能が搭載された機種が色々とリリースされた。
これは規定の回転数まで回すと、大当たりしやすい状態に移行する機能であり、ユーザーからすれば、青天井ではなくなり、絶対に出玉を期待出来るチャンスを得られる。
でも、蓋を開けてみればこの遊タイムのせいで「中途半端に1万使うぐらいなら、遊タイム到達までツッパしたほうがいいし、それもめんどくさいから遊タイム機は打たない」というユーザーを生むことになった。
さらにマズかったのが、遊タイム専門のハイエナが跋扈するようになった点。天井まであと少しというところで軍資金が切れて退散したユーザーの後釜に座って低投資で大当たりを射止めるハイエナが発生し、これが一般ユーザーから反感を買うようになってしまった。
嫌われ者のパチプロ、遊タイムエナ。しかしそんな遊タイムエナも、やってる当事者からすると結構しんどいようだ。(文:松本ミゾレ)
パチンコのハイエナで稼いで出禁になる人は立ち回りが下手
先日、5ちゃんねるに「遊タイムエナの集い★69」というスレッドが立っていたので、なんとなく眺めてみた。
すると、遊タイム専門で立ち回るようになったことでホール側から目を付けられ、出禁を示唆されたとするハイエナの書き込みを見ることができた。
このハイエナは「メイン店でなくサブ店やからまだ良いけど直ぐ貯玉5万発下ろして会員カード解約したったわ。どうせもう遊タイム台が無くなるからこの店に用はねーしな」とえらく印象の悪い捨て台詞を残している。
こういう姿勢だから嫌われたんじゃないのかな? という気がするけど、実際遊タイムエナばかりしている人にはモラルなんてないだろうから、お店側も客層をクリーンな状態に近づけることが出来て、逆に良かったかもしれない。どうせ注意しなければこの先もずっとハイエナがうろついてたわけだし。
そしてこういうハイエナって、パチプロとしてもあんまり立ち回りが上手なタイプではない。上手い人って、普通のユーザーに溶け込んで目立たず勝ってるのだ。
それこそ前述の書き込みを受けては「ハイエナで出入り禁止になる輩は立ち回りが下手糞。エナしかしてなきゃ出入り禁止になる。釘が良い日は平打ちもしないとな。それをやれば出入り禁止にならないのに。馬鹿だよな」という書き込みも見られる。
目立って得するパチプロなんていないのだ。目立ったところで爆サイとかで、隠し撮り画像や愛車のナンバーとかを晒されるのが関の山なのである。
稼げるプロはどのぐらいいるのか?
さて、遊タイム自体は搭載機種がどんどん減っている。さしもの遊タイム専門エナたちも軌道修正を余儀なくされていて、現状ではパチスロに目を向けたり、釘の良いパチンコ台を朝から晩までぶん回している。
もちろん今でも遊タイム到達直前の台を、前任者が何故かやめちゃうという事態もあるだろうけど、そんな奇跡を願って延々ホールを周回していても効率が悪い。
スレッドにはハイエナだけで2年で700万を稼いだとする書き込みもあって「すげえな」って思っちゃったけど、実際、年間の収支として稼ぐならどのぐらいが一般的なのか。
こういうことは僕も全く及びもつかないところだった。が、ありがたいことにおおよそどの程度の収支なのかを予想できる書き込みが、また別のパチプロによってなされている。
それを引用させていただきたい。
「今ピンで、500万以上勝ってる奴なんて地域が凄く良くて、超上手い一握りの奴だけだろ。300万以上でもホールに1人いるかいないか? だいたいエナしてる連中も100~300万以下のバイト学生レベルしか稼げてないぞ。そりゃ自転車通勤で毎日同じ服着てるわな」
元々は娯楽遊技施設なんだから、そこから利益を得るってのはそもそも困難なこと。100万以上勝つ時点で十分凄いと思うけどね。
現に僕なんて2003年から20年パチンコホールにいて、まだ200万しか勝ってないわけだし。というか僕の場合だってトータルでプラスだったのが奇跡みたいなもので、考えなしに遊んでいると、とんでもない借金を抱える場合もある。怖いね~。
ふと考えると日本人の平均年収って、現在400万円台前半。ここ2年ほど若干増加傾向にあるみたいだけど、まともに労働したって平均的な給与はお察しになっちゃっているのだ。
これを考えるとパチプロとして500万儲けるって、信じられない世界なわけで。僕が見る限り、今はもう本当にパチンコだけで食ってる、いわゆる専業さんは見かけなくなってしまった。
いるのは大体兼業。仕事もしつつ、土日はパチンコホールに入り浸って勝つ人たちだ。身近にパチプロの知り合いなんていないに越したことはないんだけど(笑)
知り合いの兼業プロは「仕事もしつつパチンコでなく設定状況の良いホールでのパチスロメインで年間200万ほどプラス」だと自慢していた。すかさず「それ、雑所得で申告してるの?」って聞いたら、質問の意味が分からなかったようで「???」って顔をされた。無意識の脱税もまた、パチプロあるあるか。
でもアレだよね。いくら年間500万ぐらい勝てるほどのプロ1本でも、さすがにいつまでもそんな体力があるわけでもない。兼業に転向したほうがいいと思うところだ。履歴書に書く職歴が一切ない人の就職活動がどれほど困難か、ということは別として……。