意外とつらい?仕事が暇過ぎる人々の声 「たまにデータ入力してあとは暇つぶし」「今日は同じ雑誌2回読んだ。心が死んでくる」
仕事には色んな種類がある。儲かる仕事、危険な仕事。休みが多い仕事。残業ありきの仕事。まさに多種多様、千差万別だ。しかし人間、あまりに暇過ぎる職場だと、たとえ収入面では問題なくとも不満が生じるというか、色々と物足りなくなったり、苦痛をおぼえたりすることもあるようだ。
これまでこちらのコラムでは、ブラック企業の歯車となって苦役に耐える人々を積極的に紹介してきた。が、今回は趣向を変えて、とにかく暇な職場に勤務する人たちの声を取り上げてみたい。(文:松本ミゾレ)
「今日は何もしなかった気がする。明日はさすがに何かやることあるといいな」
5ちゃんねるの「仕事が暇すぎて苦痛な人 あと41分」というスレッドには、暇に喘ぐ全国の社会人たちの声がびっしりと刻まれている。印象的なものを紹介していこう。
「正社員で福利厚生は良い。有休もわりと取りやすい。年収は500万ちょっと。家賃補助あり。ネットは使い放題。恵まれているのは分かっているけど、毎日暇すぎて呆けそう。前職が激務で今よりも年収+200万くらいだった。あの頃に戻りたいとは思わないけど、もうちょっと忙しくても良いのよ」
「昨日はあんまり暇なんで調査と称して昼前にラーメン屋へ。食後にハローワークで端末をたたき街をブラブラして3時に帰宅」
「20代後半高卒。年収は980万、暇な事務員。たまにエクセルにデータ入力のみでスマホいじり放題。お菓子食べたりマンガ読んだりして暇つぶしてる。こんなので本当にいいのか?」
「今日は何もしなかった気がする。電話もかかってこなかった。明日はさすがに何かやることあるといいな」
「ああ、羨ましい」と思う反面、「でもここまで暇な仕事だと、退勤するまでの時間も苦痛か」という、妙な気分にさせられてしまう声が寄せられている。実際、「今日なんか同じ雑誌を2回読んだぜw」という人は「心も死んでくるよw感情がないというか、最近休日に何してても面白くないし転職したいと思いつつ意欲がわかない」と書いている。
下手に待遇が良いと、会社から抜け出す気力まで削がれそうだ。福利厚生が整っている、年収が高いなど、抗うよりは耐える方が賢いと思える環境が、暇過ぎる職場の共通項のようだ。じわじわ真綿で首を絞められるような思いになる。
ホワイト過ぎても逆にブラック?働くならライトグレーな職場が良いのかも?
スレッドにはしばしば、「クーラーきいてて、仕事中に飲食自由でお菓子食べまくれて、トイレにも自由に行けて、給料も出るなんていう天国過ぎる職場で次こそは仕事したい!」みたいな、普通か、ややブラックな職場で働いていると思しき人の書き込みも見受けられる。こういう書き込みをする人々にとっては、暇過ぎる職場はまさしく天国なんだろう。
でもやっぱり暇な職場で働く当事者たちは、それなりに、当人たちにしか分からない苦痛があるんだろうな。進まない時計の針をただただ眺めるだけの日々。多忙な職場も御免被りたいが、これほどまで暇な職場も、これはこれでキツいんだろうなぁ。
一番良いのは、適度に忙しく、収入もある程度の水準程度は確保できているような、ホワイト過ぎず、ブラック過ぎることもないグレーな職場なんだろうね。でもそういう職場が見当たらない場合、僕ならやっぱり暇過ぎる職場を選んでしまうかな。
どの世界でも、一方に偏り過ぎない”中庸”を維持することが一番難しい。