「父のプラモデルを売って家族旅行に行きたい」テレビの特集にネット同情「納得済みとはいえ可愛そう」「父さん心なしか遠い目」
プラモデルは、依頼者女性の妹の部屋にも収納されていた。クローゼットの半分は次女の私物だが、もう半分はプラモデルの箱や塗装用品で埋まっている。このほか、夫婦の寝室の一角には鉄道模型、リビングの収納スペースにはミニカーと、家のあらゆるところにプラモデルが収納されていた。
番組で数えたところ、プラモデルが1000点以上、ミニカーが80点以上、鉄道模型は60点以上。すべて集めると8畳の和室がいっぱいになった。長女がメールを送る気持ちも分からなくもない。
男性がプラモデルを集め始めたのは小学校1年生のときだという。好きだった女の子が戦艦大和のプラモデルを誕生日にくれたことがきっかけで興味を持ち、以来40年以上集めてきた。好きが高じて自動車の設計技師にもなったという。ここまでくれば、プラモデルへの興味が家族を支えたとも言える。
「買わないでと言ってるのに内緒で買ってくるし、新しいのを買っても作らない」
しかし、家族の思いは複雑だ。娘や妻からは、
「もう買わないでと言っているのに、内緒で買ってくる。まだ作ってないものがあるのに新しいのを買って作らない」
「ただのコレクターみたいになっている」
「全部とは言わないけど減らしてほしい」
と非難轟々。男性は笑いながらも「届くと作った気になって、物置に直行してしまう」と、多少の後ろめたさをにじませていた。「作れないのであれば、欲しい人に引き取ってもらうのが一番なのかな」と朗らかに語るが、どこか寂しそうだ。
依頼者である長女が番組にメールを送ったのは、家族旅行の資金にプラモデルの売却金を充てたいと考えたからだ。女性は交際中の男性からプロポーズされていて、もうじき結婚するという。結婚を控える娘からこんなことを言われては、父親にとって「売らない」という選択肢はあってないようなものだろう。
「買い貯めたコレクション手放すの辛くなかったのかな」
買取金額が付いたのは、プラモデル825点、ミニカー57点、そのほか本などを合わせ、1045点。全て売れば55万円という査定になった。男性は「娘や妻のことも考えて、売る方向で行こうと思います」と宣言。これまでコツコツ集めてきたお宝と引き換えに、家族旅行の資金を手に入れた。
プラモデルの扱いが家族のトラブル源になることはままある。2017年には同じくテレビ東京系の番組で、妻にガンプラコレクションを勝手に捨てられる夫が紹介された。今回はここまで強引ではないにせよ、男性の胸中を察するに、長年のコレクションをゼロにすることに何の躊躇いも無いわけではないだろう。ネットでは、
「55万円か…つうか父さん心なしか売る決意をしたとはいえ遠い目だな…」
「お父さん可愛そうで泣きそう」
「本人が納得している積みプラとはいえ買い貯めたコレクション手放すの辛くなかったのかな」
と、男性に同情する声も少なくなかった。