人間は30歳を過ぎても成長できるのか「追い込んでくれる存在がいないとダメ」という人も
今思えば、10代、20代の頃は成長の実感が多かった。自覚はなくとも体力面は充実していたし、一度言われたことは数ヶ月先になっても覚えていた。漢字なんて、複雑なものでもすぐに記憶して書けるようになったし、集中すれば徹夜だって余裕だったものである。
ところが30を過ぎる頃からだろうか。徐々に肉体面は衰えてきたし、代謝も悪くなり、筋トレをしてもあまり筋肉が身につかなくなってきた。物覚えも如実に悪くなり、ここ数年は見聞きした物事、名称、映画の結末などもすぐ忘れてしまう。
すっかり、能力面での成長は感じにくくなってしまった。同じような劣化状態に陥っている人も、結構多いはずだ。(文:松本ミゾレ)
「妻子がいれば追い込まれて頑張れるかも」
2ちゃんねるに先日、「人間って30歳を過ぎてからでも能力的に成長できるのか?」というスレッドが立った。このスレッドを用意した人物は、「子供の頃に比べたら色々な面で衰えもあるし、伸びしろもあまりない気がする」と書き込んでいる。
きっとスレ主もまた、30代を迎えて、色んな意味での老化と能力面の低下を実感しているのだろう。スレッドを見ていても、同様の意見はいくつもある。いくらか抜き出して紹介してみたい。
「気力がどんどん無くなっていくのを身を持って体感している」
「歳食うと言い訳ばっか達者になってだめだ。追い込んでくれる存在がいないとすぐ逃げる。妻子がいれば追い込まれて頑張れるかもね」
「今でもちょっと早いやつはアラサーにしてモロに禿げてきたり白髪が生えてきたり中年太りになったり老化現象が始まる。運動能力もだいたいアラサーがピークで後は下がっていく一方」
こんな具合に、30代を起点に色々な分野での衰えを感じる人は少なくもないようだ。
「やる気になって言い訳をせずに頑張れば大丈夫!」ということではない
もっとも、こういう話をしていると、2ちゃんだろうと会社だろうと飲み会だろうと、必ず根性論を振りかざす奴がいる。このスレッドも例外ではない。
「またやらない言い訳発表会かよ」とか「言い訳をするな」みたいな書き込みも多い。まあ、実際やる気がないから衰えている、というケースはあるだろう。だけど、30過ぎるとそもそものやる気、モチベーション自体が落ちることが問題なのだ。減るものは減る。
おまけに記憶力も下がり、学習効率も落ちる。極端な話、人間の生きる源の欲求である食欲、性欲すらも人によっては目減りするぐらいの深刻な話なのだ。戦前、戦時中じゃないんだから、この手の話題に根性論を持ち出すなんてナンセンスだ。ことの本質は怠け、言い訳といった部分にはない。その上で人間が30歳を過ぎても成長できるかというと、肉体的、頭脳面での今後更なる躍進となると、これはなかなか難しいのが現実ではないだろうか。