カジサック騒動に言及?為末大「バラエティの最大の弊害は“一生懸命取り組む人を笑う”という仕組みを子どもに植え付けたこと」
為末さんは今月8日にもツイッターに、日本のテレビに対する見解を述べている。著名な外国人が日本のテレビに出ると「ぽかんとしたようななんだかよくわからない表情でいる」のは、「日本のテレビがあまりに文脈依存的だからではないか」と指摘。一方、日本人が外国でのコミュニケーションに戸惑うのは「文脈にあまり依存しないコミュニケーションに慣れていないからではないか」と仮説を投げかける。
「文脈依存的な人は英語が苦手というよりも、振る舞いが苦手だと思う。文脈を共有していない相手とどうコミュニケーションをとっていいかわからない」
「文脈依存の社会では、状況に応じて役割が変わる演劇のようだ。だれがボスかを理解し、ヒエラルキーを理解し、自分の役割をわきまえ、できない人間はのりが悪いと思われる。一方日本においてのりがいい人間は、状況しだいで自分がころころ変わる人間で、自分がないとも言える」
こうした”文脈依存”型のコミュニケーションに着目し、「日本のテレビは即興劇を書いている。だから人それぞれに役割が必要になる。その人ではなく役割が必要」とコメントしていた。
「演者はうまく演じられるかどうかが問われている。即興劇のスキルが高い人が生き残り、そうでない人は降りていく。時代に合ううちはいいが、ずれ始めると身内だけで盛り上がる劇の様相を呈していく」
バラエティ番組の中では、いじられる=注目されるという風潮がある。それをありがたがる人もいるだろう。しかし現代社会では、その「身内ノリ」は歓迎されない文化が出来上がりつつあるようだ。